密輸船(1954)
劇場公開日:1954年12月1日
解説
高野竜雄の原案から、「七人の侍」の小国英雄が宮田輝明と共同で脚本を書き、「水着の花嫁」の杉江敏男が監督する。撮影は「次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊」の飯村正、音楽は「君死に給うことなかれ」の早坂文雄の担当。主演者は「宮本武蔵(1954)」の三船敏郎、「此村大吉」の久慈あさみ、徳大寺伸、「うれし恥かし看板娘」の北川町子などである。
1954年製作/114分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年12月1日
ストーリー
横浜港に繋留されていた機帆船福神丸が、ある時黒煙を吹いて爆発した。海上保安官の津田は、母と弟の命を奪った麻薬に対して憎しみを抱いていたが、この事件を麻薬密造に関係ありとにらんだ。一方、情報屋の山本という男は、曾我保安官に、貿易商ベルグランが麻薬の原料を輸入していること、そして福神丸の三谷船長がそれに深い関係を有していることを伝えた。数日後、山本は黒眼鏡の三谷に殺された。津田は挙動不審の女松尾さとを連行し、事務官富浦恵美に身体検査を依頼し、津田はその貧しい弁当箱をにらんだが、果してその中には麻薬がつめられていた。さとの娘民江から目星をつけ、津田は鈴木という学生を追い、麻薬を身につけていた彼にその入手先を自白させ、外国人達の集るクラブ・ポピーを襲った。それ以来津田は麻薬常習者の仲間に入ったが、ある時金のために王大成の妾になった民江に会った。多くの情報を手に入れた津田は、富浦恵美を変装させて王やベルグランの一味を探らせた。それによって清水港へ入った麻薬密輸船を押えることができたが、疑われた民江は王に殺された。麻薬密造所は九竜丸に移された。王は金と麻薬を一人占しようとして三谷に殺された。しかし船出する九竜丸に乗った一味も、追跡する津田の活躍で全滅したのである。だがこの時津田自身、恵美の愛情にも拘らず、麻薬がなくては生きられない身体になっていたのであった。