夏祭り落語長屋

劇場公開日:

解説

「落語長屋は花ざかり」につぐ落語シリーズ第二作。演芸評論家で古典落語研究家の安藤鶴夫の原案により、“のざらし”“富久”“すどうふ”等の落語から「宝さがし百万両」の八住利雄が脚本を書き、「落語長屋は花ざかり」の青柳信雄が監督している。撮影、音楽も同じ山崎一雄、三木鶏郎である。出演者もほぼ前作と同じであるが、「芸者小夏」の紫千鶴、南米の国際映画祭より帰朝した越路吹雪(美しき鷹)、ジャズ・シンガー柳沢真一などが新しく出演する。

1954年製作/84分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1954年5月5日

ストーリー

落語長屋の大工八五郎は正直で腕の立つ大工だが、三度の飯より酒が好きで出入先の赤西屋も閉め出されていた。しかし大家の伊勢屋宗右衛門のきも入りで目出たく出入差止を許され、日頃八五郎を想う大家の女中お花はお祝いの絆纏を八五郎に送るのだった。隣に住む人の悪い易者呑海が、釣に行った時見つけた美人の水死体の幽霊に毎夜腰を揉んでもらっているという冗談を、真に受けた八五郎は川原に出かけ、釣竿で水中をかき廻しながら幽霊の出現を待つが、一向に出て来ない。ところで八五郎、富くじ売りの文吉から買った富くじが千両当っていると聞いてとんで帰って来るが、母親お勘が薪と一緒に燃してしまった後だった。却って今迄の親不孝に気づいた八五郎は、宗右衛門に油をしぼられて孝行を誓った。明日から夏祭りが始まるという晩、お勘が失くした筈の富くじ札を発見、喜んだ八五郎と二人で神棚を拝んでいると、お高祖頭巾の女が来た。さてこれこそ待ちに待った幽霊と思った八五郎が、頭巾を取るとお花だった。お花は八五郎の女房になるためにやって来たのだ。明くれば年に一度の夏祭り。長屋の一同は全部揃いの浴衣で、宗右衛門寄進のお神楽屋台を引いて練り歩いた。

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