巌ちゃん先生行状記 処女合戦
劇場公開日:1954年4月7日
解説
「叛乱」の安達英三郎の製作で、『巖ちゃん先生行状記』(鳴山草平)より井上薫(「今日は会社の月給日」)が脚色している。監督は「すっ飛び千両旅」の志村敏夫、撮影は「今宵誓いぬ」の山中晋、音楽は「若夫婦は朝寝坊」の佐藤勝が夫々担当。「君ゆえに」の舟橋元、美雪節子、「お菊と播磨」の田崎潤、「花と波涛」の筑紫あけみなどか出演している。
1954年製作/83分/日本
劇場公開日:1954年4月7日
ストーリー
湘南の白鳥女学院に奉職する岩田巌平こと巌ちゃんは、茜=濡子=素子の三人組に熱愛されていた。彼女らが卒業し一年の月日が流れた或る日のこと、素子と芸者駒勇(茜)が恋を打開けに学校を訪れた。茜は執拗に巌平の下宿まで押し掛けたが、朱唇を重ねようとする寸前を、家主のカマキリ夫人に発見され、無念の涙をのんだ。茜が帰った後へ、今度は山形から上京した濡子が訪れ、同居させてくれと頼み込んだ。翌朝、巌平は独身の女校長から、素子との縁談をすすめられたが、やっとの事で断った。厳平は、濡子との同居生活が余りにも悩ましいので連日宿直を担当したが、茜から偽の電報で呼び出され、キャバレーに案内され、ダンサー姿の濡子を発見し、驚いてしまった。翌日、警察署長をしている兄巌吉郎から呼び出された巌平は、保護されている濡子を引き取り、その帰りに会った友人、トロンボン吹きの酒井に濡子の就職を頼んだ。酒井の妹、ジャズシンガーのアキ子は、巌平のファンであり、巌平を喫茶店に誘ったとたん、現れた茜に彼を奪われてしまった。酒酔戦法に出た茜から逃れて帰った巌平を濡子が待受けていた。彼女は厳平を誘って大酒を飲んだあげくに、胃けいれんをおこし、大騒動をひき起してしまったので、巌平は再び宿直室に泊り込む事にした。しかし夜遅く押し掛けて来た茜と濡子はどちらが好きかと、巌平に迫った。この事件はPTAで問題となり、巌平は進退谷まったが、彼の和泉式部論出版記念会に出席の為、危うく急場を逃れた。熱海で開かれた記念会が最高潮に達した時、茜、素子、濡子、素子を追う夫貴島と丘本夫妻、茜を追う女将、巌平を追う宮下校長とカマキリ夫人、駒勇を狙う字月を追う巌吉郎らが現れ、それにアキ子らが加り、巌平をめぐって一大乱戦が展開されたが、結局、素子は夫の許へ、茜は女将の許へ夫々帰り、海岸に逃れ去った巌平の前には、濡子とアキ子が相対していた。