陽のあたる家(1954)
劇場公開日:1954年2月17日
解説
昨年制作座で公演された真山美保の戯曲「草青みたり」を原作に「君の名は 第二部」の柳井隆雄が脚色、「血闘 利根の夕霧」の田畠恒男、井上春二、万城目正のそれぞれが監督、撮影、音楽を担当している。「一等女房と三等亭主」の轟夕起子、「君の名は」の野添ひとみ、「お役者変化」の紙京子、「家族会議」の日守新一、「蛮から社員」の水原真知子、同じく「蛮から社員」の坂本武、「沖縄健児隊」の田浦正巳、子役に小畑やすしの他劇団若草から村山延子、桜井将紀、堀正長などか出演している。
1954年製作/94分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1954年2月17日
ストーリー
東京の片隅、建ちならんだバラックやトタン囲いの小舎の一つに中原みつの一家が住んでいた。みつは夫に戦死され、四人の子供を抱えて日傭作業員として働いていた。十九になる長女春子は洋裁店に、次女の夏子はレストランにつとめ、中学生の秋男は大工仕事を習い、小学六年生の冬子までが近所の子守をして母親を助けていた。近くに住む電気工夫の山田徳二は則夫と辰夫と男の子二人を抱えたやもめ暮しをしていた。彼には咲子という未亡人の娘がいるのだが、咲子は身を持ちくずして幼い子を連れて家出しているのだった。春子の発案でみつと徳二は結婚し、新家庭に幸福がほほえみそうだったが、それも束の間、徳二が不慮の事故で死に、みつは六人の家族を抱えて再び集金人として仕事に出ることになった。そんな或る日、ふと、子供を連れた咲子が帰って来たが、居合わせた則夫は、みつへの気兼ねの気持もあってか、この家は姉さんのような人の来るところではないと、泣きながら咲子を追い返した。集金人となったみつは、仕事のために裏の空地で自転車の練習をはじめたが、徳二の弔慰金から買った中古の自転車は盗品と判って引きとられ、苦しい日が一家に続いた。春子のファッション・デザインが入賞して三万円の賞金が貰えるという吉報の舞込んだ日、則夫が辰夫を連れて千葉の伯母の家に行ってしまった。これ以上みつに迷惑をかけたくないというのだったが、みつは千葉へ出かけて、二人をさとして連れ帰ってきた。そこに咲子も戻ってきて、一家は和やかな笑いに包まれ、久しぶりに明るい陽射しがさし始めた。