続々魚河岸の石松 大阪罷り通る
劇場公開日:1954年1月15日
解説
「魚河岸の石松」シリーズの第四篇。スタッフ、キャストとも例作と大体共通、監督は第二篇の顔ぶれにかえって小石栄一、小林恒夫の共同となっている。新登場の配役は「憧れの星座」の西条鮎子、「若さま侍捕物帳 恐怖の折り鶴」の清川虹子、「母系図」の月丘千秋、笑劇で活躍している初音麗子(元宝塚)などである。
1954年製作/90分/日本
劇場公開日:1954年1月15日
ストーリー
瀬川オヤジに清水港行きを頼まれ、用件もきかずに飛出した石松の乗りこんだ列車が急行、清水港はアッというまに通り過ぎた。車中でオヤジの紹介状を手に後を追ってきたキノキンと会った迄はいいが、美貌の女スリ花枝姐さんに財布もろとも掏りとられ、一文無しとなって静岡に下車。止むなく東京に帰ろうと薩摩守をきめこんだ貨車が着いた先きは名古屋だった。ここで廻り合った花枝姐さんと悶着の末、奪いかえした紹介状を開いてみると、「石松は大馬鹿者」というひと文句。オヤジの真情もしらずムクレ返った石松は、清水行をあっさり中止する。折からスクーター・レースに出場して通りかかったシンコの車に同乗、大阪に向うが、途中故障の続出に加えてシンコの猛烈な情熱にすっかり音をあげ、西の大都大阪へと辿りついた。彼とキノキンが一時の職を得た仲買人蛸常の店は、主人の賭博ずきが崇って、借財山のよう、おかげで娘妙子は新世界の鉄なるヤクザ男に追われどうしだし、高利貸芦屋夫人の催促も火がついたようである。主人の急場を見かねて、夫人の本拠キャバレー・ミリオンへ交渉にのりこんだ石松は、忽ち彼に熱を上げた夫人や女給字奈子、それにはしなくも来合せたシンコらの乱闘に捲込まれ、命からがら脱出する。東京から後を追ってきた〆蝶も一枚加わって女難はさらに苛烈となった。蛸常の手なぐさみはいよいよ止まず、店の資金洗いざらいを持ちだしたばかりか、妙子の身体迄賭けた勝負を新世界の鉄とはじめる。バクチは負けて妙子危うしとみえる瞬間、かけつけた石松が縦横の大あばれでその場を救った。傷を負って入院した彼は見舞いに殺到する女たちのサヤ当てにまたも居たたまれず、勇躍南氷洋の捕鯨に赴くというキノキンともども、川蒸気にとび乗って大阪をはなれる。