落花の門

劇場公開日:

解説

「血闘(1953)」の須崎勝弥の脚本を谷屋充が潤色し、「血闘(1953)」の仲木繁夫が監督する明治時代の柔道もの。撮影は新人宗川信夫、音楽は「血闘(1953)」の浅井挙嘩。主な出演者は「にっぽん製」の三田隆、「銭形平次捕物控 金色の狼」の南田洋子、「母の湖」の沢村美智子、根上淳など。それに劇団“青い鳥”が出演する。

1954年製作/90分/日本
劇場公開日:1954年1月27日

ストーリー

父の遺志をついで柔道家たらんとした北村良太郎は、上京早々リンチされている少年スリ融を助けてやった。融を可愛がっていた男装の不良少女梨枝は良太郎に何か惹かれるものを感じた。亡父の親友小堀巡査部長の家に落着いた彼は毎日紘道館へ行くふりをしながら市内の盛り場に巣喰う与太者をこらしめていたが、彼に好意を抱く小堀の娘恵子はそれを知って心配した。ある時、例によって地廻りの連中を叩きのめした彼は万朝新報の記者生島信平から暴力の愚なることを説かれた。が、その夜丑松一味から果し状をうけて、良太郎は迷った挙句結局指定の場所上野寛永寺に赴いた。これを知った梨枝は恵子を訪れて急を知らせ、彼女たちの報をうけて出動した警官隊により騒ぎは抑えられた。しかし捕縛された愚連隊は警察にも力を及す親分水原の口利きですぐ釈放された。小堀にどなられ、家を追われた良太郎は梨枝の陰の尽力で池内邸の書生となり心機一転して紘道館通いを始めた。梨枝は実は池内の令嬢で彼女も生島に忠告されて今は家に帰っていた。小堀はひそかに水原一味の悪事を探っていたが、ある夜その手先の兇刃にあって殺され、よる辺のない恵子は池内邸に引取られた。一方水原は小堀の仇をうとうと焦る良太郎を味方に引込もうとしたが拒絶された。悪事の発覚を怖れた彼は恵子に横恋慕する元巡査の字田川と共謀して生島と恵子を、とある廃屋に拉致した。融がそれを良太郎に知らせたので直ちに彼は駈けつけ、大奮闘の末二人を救い出した。警察の手によって水原一味は粛清され、良太郎と恵子は晴れて結ばれた。

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