家族あわせ

劇場公開日:

解説

サンデー毎日に連載された北条誠の原作を「うず潮(1952)」の長瀬喜伴が脚色し、「悲しき瞳」の瑞穂春海、布戸章が監督、撮影を担当している。音楽は「乙女のめざめ」の田代與志。出演者は「南十字星は偽らず」の若原雅夫、「サラリーマンの歌」の角製枝子、「東京マダムと大阪夫人」の大坂志郎、多々良純、「壁あつき部屋」の北龍二、望月優子など。

1953年製作/89分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1953年11月16日

ストーリー

娘の奈々子が同じ花島運送の社員になって以来、朝吹三平の家長の面目はまるつぶれになった。と云うのは島総務部長の二号千代との連絡係を仰せつかっていたからである。奈々子は入社早々、兄亮介の先輩である社員天知に紹介され心を惹かれるが、彼の無愛想な態度につい意地を張ってしまった。天知は山川運送との野球試合で一躍男を上げ、会社の女の子に騒がれるばかりでなく、千代と喫茶店で仲良く話しているのを見ると、奈々子の心は千々に乱れ、泣きベソをかいて三平に訴えた。島部長から千代と社員との仲が変なことにならないよう注意されていた三平は驚いて、天知の下宿へ乗り込むが、千代は天知の腹ちがいの姉だったのである。一方良人三平の課長昇進に気をよくしていた邦子夫人は、島部長の夫人よりただならぬ情報を聞かされた。三平が千代とおかしいと云うのだ。実は島部長が夫人へ言いのがれに三平の名を使ったのだ。千代の家へ乗りこんだ島夫人と邦子夫人は、逃げまどって小さくなっている島部長を見つけた。島部長、三平、天知が九州出張に旅立つ日、飛行場には島夫人、邦子夫人、奈々子の顔が見えた。邦子夫人は良人を気づかって送りに来たのだが、島夫人は千代も附いてゆくのではないかと見張りに来たのだ。奈々子は天知にそっとお守を渡した。見送りの一団から遠くはなれて千代もそっと見送っている。お元気で、私もお別れして田舎へ帰りますと心で叫びながら。

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