砂絵呪縛(1953)

劇場公開日:

解説

昭和三年東西の朝日新聞紙上に連載され、当時各社が競って映画化し、最近“小説倶楽部”に百枚の読切として再び所載した土師清二原作の映画化で、「お役者小僧」の八尋不二の脚本を、「振袖狂女」以来時代劇から遠ざかっていた安田公義(悲恋椿)が監督する。撮影は「暴力市街」の伊佐山三郎、音楽は「木曽路の子守唄」の大久保徳二郎。出演者は「木曽路の子守唄」の黒川弥太郎、羅門光三郎、「丹下左膳(1953)」の水戸光子、「あにいもうと(1953)」の堀雄二、「続魚河岸の石松」の阿井三千子など。

1953年製作/90分/日本
配給:大映
劇場公開日:1953年10月7日

ストーリー

老中柳沢家出入の鋳金師黒阿彌の娘お酉は、砂絵師藤兵衛に刺青を注文し手金代りに金のかんざしを預けた。このかんざしこそ貨幣を改悪して私腹を肥そうと企む柳沢吉保が、黒阿彌に作らせた合金の試作品だった。目明し六本木の米吉は藤兵衛からかんざしを取り上げて、正義派の老中間部詮房へ提出する。柳沢の御用暴力団、鳥羽勘蔵を統領とする柳影組はかんざし奪取を謀り、偶然現われた森尾茂重四郎と名乗る浪人の腕を買い、お酉の美貌を利用して色仕掛で味方へ引き入れようとする。詮房の腹心勝浦孫之亟は柳影組に対抗する天目党を統率している美丈夫で、妹千浪は小太刀の名手で詮房の娘露路に仕えている。露路は孫之亟に思慕の念を抱いていた。孫之亟は黒阿彌を捕えるが、お酉は報復的に露路を奪取するのを重四郎に頼む。間部邸に忍びこんだ重四郎は柳影組の手下に露路を誘拐させ、自らは孫之亟と対決するが、米吉達に妨げられ再会を約して立去る。千浪は責任を感じて柳沢と大奥の機密を探るため大奥に住みこむが、将軍綱吉の夜伽を命ぜられる。重四郎はおとなしい霧路に惹かれ、重四郎から見向きもされないお酉は敵方の孫之亟に魅力を感ずる。折しも天目党の精鋭は露路奪還のため、柳影組の本拠へ斬り込みを掛け、孫之亟と重四郎は再び相対峙する。

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