おもかげの歌

劇場公開日:

解説

製作は「若奥様一番勝負」の大町龍夫、「初恋おぼこ娘」の監督小林桂三郎がオリジナル・シナリオを書き、「好きなアンタハン」の穂積利昌が監督に当っている。撮影は「春の鼓笛」の高村倉太郎。配役の主なものは「関白マダム」の大坂志郎、「まごころ」の野添ひとみ、「人生劇場 第一部」の徳大寺伸などである。

1953年製作/43分/日本
劇場公開日:1953年3月12日

ストーリー

金庫破りの隼三吉は、刑期を終えて刑務所を出所すると、出迎えてくれた老刑事山田文吉に誓った通り、街頭靴磨きとなって更生のスタートをした。或る日地下街の入口で盲目の花売娘を見て同情し、それ以来毎日花を買ってやった。少女は直子といって病気の祖母を養っていた。直子と仲良しになった三吉には、自分が街頭の靴磨きだとは明さず、会社員といつわっていた。一日、直子を連れてデパートの屋上遊園地へ行った三吉は直子の眼が金をかけて手術をすれば治る見込みがあると知って、どんなことをしても手術させてやりたいと思い込むようになった。山田刑事が心配していたように遂に三吉は昔の仲間にひきずられて金庫破りをやり、直子にその金をとどけて姿をくらました。それから二週間、直子の目の繃帯がとれる日、三吉は病院に姿を現わした。山田刑事は繃帯のとれる処を三吉に見せてやろうと、その友人を装って一緒に直子の前に立った。けれど三吉を立派な男と思い込んでいる直子には彼が見分けられなかった。三吉小父さんに会ったら早く逢いたいと伝えて欲しい、という直子の言葉をあとに三吉は淋しくひかれて行った。

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