決闘五分前

劇場公開日:

解説

製作は「凸凹太閤記」の辻久一。「西鶴一代女」の依田義賢と「花吹雪男祭り」の若尾徳平の脚本によって「巣鴨の母」の安達伸生が監督した。キャメラは「あの手この手」の武田千吉郎。「彼女の特ダネ」の菅原謙二、荒川さつき、「社長秘書」の木村三津子、「あの手この手」の堀雄二、「街の小天狗」の宇佐美諄、その他上田吉二郎、大伴千春、浦辺粂子などが出演する。

1953年製作/94分/日本
配給:大映
劇場公開日:1953年2月26日

ストーリー

密告によって投獄された河合幸一は、受刑中ただ密告者との対決をだけ思いえがいて時を過ごした。いよいよ出獄。--彼は大阪刑務所の門を出ると、昔の悪事仲間、密輸団のボス金田の許に急ぎ、これにナイフをつきつけた。あわてた金田は密告者は河村の親友小谷だと誣いる。河村はその足で小谷の家に向った。足を洗って今は電機商を営む小谷は、恋人玉枝とともに郷里福山へ帰省の途中、大阪駅附近で河村に道をふさがれた。弁明はむだであった。河村は廻転式六連発の拳銃に一発だけ実弾をいれ、小谷に自分の頭にあてて三度引金をひけ、と命ずる。やくざ仲間のリンチである。しかし、小谷は堅気に返った我が姿を一目だけ郷里の老母にみせたかった。その想いを察した玉枝は自ら人質になることを申出る。明後日十二時までに小谷がこの場所に戻らなければ、玉枝の一命はないはずである。河村と玉枝との不気味なアベックがはじまった。河村はかつて、出獄後をちかった恋人澄子をつれだし、有馬温泉に投宿する。が、すでに心変りした澄子は、玉枝を語らってにげだす。裏切られた河村の心事を思いやった玉枝は、再びその傍らに舞いもどったものの、河村はもう人間が信じられない。彼はシニカルな口調で、約束の刻限に小谷は姿をみせぬだろう、という。それを否む玉枝。--いよいよ約束の十二時である。母の突然の急病で出発がおくれながら、種々障害を排してかけつけた小谷に、玉枝は報われた信頼の涙をかくせない。一見無表情にリンチをはじめようとする河村の拳銃にも、しかし実弾はこめられていなかった。

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