ひまわり娘

劇場公開日:

解説

有馬稲子の東宝入社第一回作品で、原作は源氏鶏太の『婦人生活』連載小説。これを「リンゴ園の少女」の長谷川公之が脚色し、「丘は花ざかり(1952)」の千葉泰樹が監督に当った。撮影は「次郎長売出す」の山田一夫、音楽は「やっさもっさ」の黛敏郎。前記有馬稲子をめぐって「吹けよ春風」の三船敏郎、「一等社員」の伊豆肇、「慟哭」の阿部寿美子、「親分の青春」の木匠マユリ、「四十八人目の男」の沢村契恵子、「夫婦」の井上大助、他に清水将夫、村瀬幸子、荒木道子、三津田健、杉村春子など新劇人が助演している。

1953年製作/87分/日本
原題または英題:Love in a Tea Cup
配給:東宝
劇場公開日:1953年3月26日

ストーリー

東京化学の女事務員藤野節子さんは、若いくせにお茶がすきな同僚の日立一平君、人呼んで弁慶さんと仲よかった。男女同権をたてにとった女事務員仲間のお茶くみストが始まっても、彼女は変りなく、弁慶さんにお茶をくんであげる。これが仲間のカンにさわり、リーダー格の石井英子さんからビンタをもらう仕儀となった。しかしその現場を目にした勤続十五年の大姐御山野さんが翌朝からお茶をついで廻るに及んで、スト仲間は大動揺、やがて男性社員の態度を改めるということで、ストは円満解決した。経営見習いのため入社している田込産業の跡取り息子良助君は、ひまわりのような、晴朗で美しい節子さんに惹かれる。学校友達の弁慶さんをダシに誕生日のダンスパーティやらホテルの夕食やらに誘うが、節子さんはやはり庶民的で頼もしい弁慶さんがすきである。そのホテルで偶然目にふれた同僚井田幹子さんの自堕落ぶりを、節子さんは誰にも話さなかったが、赤新聞の暴露記事が問題化するや、幹子さんは逆に節子さんを中傷する。しかし、幹子さんの行状を知る人の話で、疑惑ははれた。良助君の求婚をことわり、彼女は大すきな弁慶さんの許へお嫁入りすることになった。

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