暖風
劇場公開日:1953年1月29日
解説
宝塚映画の青春明朗現代劇として脚本を新人横山修三が執筆し、「昔話ホルモン物語」に次いで内村禄哉が監督に当ったもの。撮影は「恋の捕縄」の藤洋三、出演者は、文学座出身で「母なれば女なれば」出演の石田二郎と「春秋鏡山城」に出演した宝塚雪組スタア桜間秀子が主演、それに漫談家香島ラッキー、新芸座の中田光彦、映画界のヴェテラン寺島雄作。その他宝塚ガールが多数助演している。
1953年製作/34分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年1月29日
ストーリー
健は宝塚大劇場前でプレミヤ付の闇切符を売るダフやであったが、根が正直なお人好しなので商売にならない。切符屋の元締から切符をまわすことをことわられた健は、そのむしゃくしゃを、いつも商売の邪魔をする劇場計算課の山崎にぶっつけ、反対に投げられて動物園に逃げ込み、そこで一夜を明かした。翌朝、売店の片隅で眠っている家出娘美津を見つけた。その美津が人相の悪い男に誘われているのを見た健は、スゴミを利かせて男を追っぱらってやった。見栄坊な健は、叔父の別荘の女中に世話をしてやるといって美津をひっぱりまわしたが、そんな叔父のある筈はなく、結局健が美津を好きになっただけで喧嘩別れをしてしまう。しかし美津が派手な姿で、例の人相の悪い男と連れ立つているのを見ると、どうしても彼女を無事に故郷へ帰してやりたく、八百長試合を承知で拳闘に出場、さんざんに殴られる。これを見た美津ははじめて健の誠意に感激、健の買ってくれた三等切符で故郷新潟へ帰る決心をする。健が古本屋で成功し、美津が大人になったらきっと健のところへやって来ると固い約束をして--。