夫婦(1953)のレビュー・感想・評価
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成瀬恐るべし
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ハッピーエンドで「さあ終わった!」と思いきや、映画はいきなり観客の気持ちを踏みにじる様に千尋の谷へと突き落とす。
こんな脚本を書く水木洋子/井出敏郎も凄いが、それを受け入れる監督も凄い。
映画としてはその前の段階できっちりとハッピーエンドで終わっているのに…。
そんな、うなだれる夫婦の肩越しで無邪気に遊ぶ子供の姿。ここでやっと本当のハッピーエンドが訪れる。
成瀬巳喜男恐るべし!
高度成長時代の昔の日本…特に東京周辺ってあんな感じだったんだなぁ。幼心の朧気な記憶にも在るけれど、どこの家にも間借りしている人が我が家の近所には沢山居ましたねぇ〜。
駄目亭主役の上原謙が何気に上手い。若い頃は2枚目役専門で、演技力はどちらかと言えば無いと言われていた様だが、なかなかどうしてこの作品での猜疑心の強い駄目亭主役は絶品でしたね。
尤も奥さん役の杉葉子さんが素敵過ぎるのが悪いんだが。
ほ〜ら三国連太郎だって、死んだ奥さんが忘れられない男の設定なのに…イチコロだもの。
妻は夫を立てながらも実際は、子供をあやす如くに扱えば夫婦円満…って考え方は、如何にも戦後の日本って感じでしたね。
それにしても成瀬巳喜男…。
恐るべし!
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