若奥様一番勝負
劇場公開日:1952年12月17日
解説
製作は「未完成結婚曲」の大町龍夫。中野実の原作から「鳩」の中山隆三が脚色し、「坊ちゃん重役」の瑞穂春海と布戸章とが各々監督と撮影に当っている。出演者の主なものは、「彼を殺すな」の佐野周二、「うず潮(1952)」の月丘夢路、佐田啓二、幾野道子、「母は叫び泣く」の紙京子などである。
1952年製作/90分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1952年12月17日
ストーリー
女流棋士堀田暎子三段は若く美しかったが、その夫信三は目下失業中だった。選手権争奪戦に優勝した夜、暎子は夫の就職を大和商事社長の工藤に頼んで承諾を得た。ところが大和商事の人事課長坂本が、飲み屋で信三と喧嘩して殴られた男であったためこの就職はフイになった。そのことで暎子と信三の間に気まずい空気が流れはじめた。そこへ暎子の同窓生で少しピントはずれの青木夏江が泊まり込むようになり、夫婦の間をかきまわした。自転車振興会の理事をしているという夏江の父に信三が仕事を頼みに行って見ると、実際は競輪の予想屋で、彼にも予想屋になれとすすめるのだった。家へ帰って見ると、信州から暎子の叔父夫婦が出京して来ていたので信三はつい自転車振興会へ就職したと嘘をついた。それも、暎子の案内で競輪見物に来た叔父たちに予想屋をやっているところを発見され、憤然とした暎子は叔父夫婦と共に信州に帰って行った。しかし、暎子の弟子で才能のないことを悟って恋人節子と共に信州に帰って働いている吾郎たちのむつまじさや、叔父夫婦の仲のよい姿を見て、暎子は初めて夫婦の在り方を悟り、急いで帰京した。その頃信三もようやくにして就職することが出来、夫婦は久しぶりで仲よく碁盤に向かい合った。