佐渡ケ島悲歌(エレジー)
劇場公開日:1952年9月4日
解説
新映プロと大映とが提携して製作した歌謡映画。脚本は「母の罪」の館岡健之助が書き、「振袖狂女」の安田公義が監督に当っている。撮影は東健。出演者の主なものは「鞍馬天狗 天狗廻状」の藤田泰子、「涙の恋千鳥」の春日俊二、「二つの処女線」の根上淳、「お茶漬の味」の三宅邦子などのほか、菅原都々子、眞木富士夫の歌謡歌手が特別出演する。
1952年製作/86分/日本
配給:大映
劇場公開日:1952年9月4日
ストーリー
医大生立花真琴は、暑中休暇を利用して親友多胡の故郷佐渡ガ島へ渡り、椎名文代という娘と知合いになった。文代は兄梧郎と共に幼くして父母に別れ、中学校校長の祖父浩平に育てられていた。浩平は文代が真琴と近づきになったことを知ると強くその交際を禁じ、梧郎の友岡本との縁談を強いた。真琴の父真三は二十年前渡島した時文代の母佐代と恋仲となったが父浩平の反対で結婚できなかった。その後佐代は他の男を婿にむかえ梧郎と文代を生んだが、夫が死んだとき、真三も一児真琴を残して妻に先立たれたことを知り、梧郎と文代を浩平の手元に残して真三の許に走り今日に至ったのであった。そのため浩平は佐代を亡きものと思い心から抹殺して来たのである。真琴も東京に帰り父母に文代のことを語り継母佐代から思いがけない反対を受けた。真琴は文代に真心こめた手紙を送ったが浩平の手で握りつぶされ、文代は思いあまって上京するが真琴とは入れ違いになり、佐代に会って生みの母と知る。が、その佐代にも反対されて、帰島した。そして嫁ぐ日になり遂いに渡島した真琴と共に海へ身を投じた。しかし心痛の余りあとを追って渡島した真三と佐代や浩平たちの手に救われた。老人たちは各自の意地から若い二人の生命を失わせようとしたことを悔い、二人の前途を改めて祝福した。