遊民街の夜襲
劇場公開日:1952年1月10日
解説
製作は「唐人街の鬼」のマキノ光雄で、大森康正の企画で「八つ墓村(1951)」の比佐芳武が原作及び脚本を書き、同じく「八つ墓村(1951)」の松田定次が監督に、川崎新太郎が撮影に当たっている。出演者の主なものは「八つ墓村(1951)」の片岡千恵蔵、進藤英太郎、千石規子、「大江戸五人男」の月形龍之介、「真説 石川五右衛門」の花柳小菊、小杉勇、「麦秋」の三宅邦子などである。
1952年製作/105分/日本
配給:東映
劇場公開日:1952年1月10日
ストーリー
町の盛り場にかつては顔を利かした藤本松五郎は、時流にいち早く目ざめ、藤松組を解散、恋人おけいにキャバレーを経営させて地道な生活を送っていたが、かつての子分九一の虎やカツアゲの留などは、今だに盛り場の花売り娘や靴みがきの少年からまでカスリをとるようなことをしていた。この土地へ流れてきたブロウニングの秀はそれに義憤を感じ留を殴ったことからかえって松五郎に見込まれその家に食客となった。秀は元優秀な刑事であったが、強盗殺人犯人を追求中、一味の奸計で大切な拳銃を奪われた。証人になる屋台の女お雪が姿をくらましたため彼は人々の非難に弁解出来ず、自棄になって遊民に墜ちたのだった。この町へ来て、彼はふとしたことからお雪の住居をつきとめるが、お雪は口を開かぬまま、その夜何者かに殺されてしまった。しかしこれに端緒を得て秀は苦心の末、集団強盗事件の全貌をつきとめ、単身敵の本拠へのり込んだ。松五郎はそれを知って秀を救援にそのあとを追って深夜の街に時ならぬ拳銃の乱撃が展開した。秀の元の同僚栗原警部補の指揮する警官隊で犯人は一網打尽に捕らえられたが、松五郎は凶弾に倒れ、おけいのことを秀に托して死んでいった。母のお雪を失った花売り娘マリとおけいと共に、秀は新しい生活へと再出発するのだった。