特ダネ三十時間 笑う誘拐魔 曲り角の女

劇場公開日:

解説

特ダネ三十時間シリーズの第七、第八話。「ぽんこつ」の舟橋和郎と「海底の挑戦者」の山村映司がそれぞれ脚本を書き「野獣の眼」のコンビ若林栄二郎が監督し、佐藤三郎が撮影した

1960年製作/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年11月22日

ストーリー

〔笑う誘拐魔〕井沢金銭登録機社長井沢肇氏の一人息子武が、学校からの帰途行方不明になった。心配する井沢家に男の電話が掛かった。「三百万円を持って三時に渋谷から、外廻りに乗って出口附近のアミ棚に包を置け」というのだった。警視庁ではこれを重大視し秘密捜査で進むことにするが、新聞社に嗅ぎつけられてしまった。井沢夫人雪子は金を持って指定された時間通りに山手線にのるが犯人は現われなかった。また電話が掛かった。警察に知らせたから武を殺してやるという電話である。翌朝毎朝新聞は紙面一杯に“井沢武ちゃん誘拐さる”と特ダネ記事を報じた。傷心の井沢一家の姿と武の生命を気づかって筆を伏せた浩平と、警察の失策を追求して、事件を公開捜査にさせた大木。絶望的な両親の嘆きに浩平の心には特ダネなんかどこかに吹飛んでいた。そんな時、犯人から浩平に電話が掛かって来た。日本新聞と取引きしたいというのだ。浩平は指定された喫茶店に三百万円を持って密かに出かけた。そこで黒目鏡をかけた男が私が犯人ですと名乗りかけて来たが、質問しているうちに浩平はその男が犯人でないと断定した。しかし別れ際、その男は後から浩平が持っている三百万円の包みを奪って逃げんとしたが、逆に浩平に叩きつけられてしまう。出来心だから許して下さい、と頼む男を見て浩平は警察につきだす気がなくなっていた。逃げるようにして去った男の後に手帖が落ちていた。それを見て浩平は愕然となった。井沢家の電話番号が書いてあったのだ。その下に書いてあるもう一つの電話番号を調べてみると、「あけみ」という飲み屋だった。そとで人相から中根という男だと分った浩平は、あけみの女給キミエの部屋に潜伏中の中根を追いつめて叩き伏せた。無事に帰った武ちゃんを見て、浩平はやはり俺のやり方は間違っていなかったとしみじみ思った。 〔曲り角の女〕「美貌の女子大生殺さる、上京中の夜行列車に怪事件」と、昨夜の事件を報ずる日本新聞。被害者は絞殺され、犯人は驀進する列車から飛び降りたものとみられた。デスクの谷村を囲んで綿密な作戦が練られ、浩平は極東大学に被害者公子の友人川原トシ子を訪ねた。だがトシ子は被害者についての解答を故意に話さない。公子と親しかった英子、由紀、そして在学八年生という香取もよく彼女の私生活に関しては知らなかった。そこにはライバルの毎朝新聞の大木も来ていた。一方、捜査本部が重要参考人を呼んだというニュースに、警視庁内の七社会はどよめいた。各社記者の必死の尾行も老練刑事達によって巧みにまかれてしまった。浩平は、トシ子がアルサロに勤めていることを知って日参した。浩平の粘りにトシ子は遂に負けて柳田という男を紹介した。柳田はトシ子と関係があったが、公子が現われるに及んでトシ子を棄て、彼女と同棲していたのだ。その柳田という男は捜査本部が呼んだ参考人であった。しかし柳田は公子には西山という愛人ができたので彼女とは三ヵ月前に別れたと言い張った。その相手西山に自動車教習所に会いに行った浩平は、純情そうな青年西山を見て犯罪の匂いは全く感じられなかった。かくて公子から二百万円の慰籍料を請求されたという柳田に、浩平は捜査方針をしぼり彼のアパートを見張った。二日後柳田が旅行鞄を下げて東京駅に向った。柳田を、高飛びと睨んだ浩平は勇躍デスクへ電話と記事を送った。意気揚々と社に帰って来た浩平は部長から大目玉を食った。毎朝の大木に特ダネを抜かれたというのだった。犯人は西山だった。結婚まで約束した女が、柳田と同棲していたことを知った西山は、ドライブの車で熱海まで行き、そこから上りに乗り込んで公子を殺害したのだった。

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