一本刀土俵入(1960)

劇場公開日:

解説

おなじみ長谷川伸の原作を「不知火検校」の犬塚稔が脚色し、「元禄女大名」の安田公義が監督した股旅映画。撮影は「疵千両」の本多省三。

1960年製作/73分/日本
配給:大映
劇場公開日:1960年11月9日

ストーリー

利根川べりの茶屋・安孫子屋の表では、土地の顔役波一里儀十の身内船戸の弥八が暴れていた。興行先でお払い箱になり仕方なく江戸へ向う駒形茂兵衛はこの弥八にからまれてしまった。この様子を二階からみていた安孫子屋の酌婦お蔦は、上から弥八をけん制、茂兵衛に声援をおくった。それに力を得た茂兵衛は弥八の胸に頭突きを入れて倒すが自分も座りこんでしまった。お蔦は彼が腹を空かしていると聞くと巾着に櫛カンザシまで投げ出し心から彼を激励するのだった。茂兵衛はこの親切に涙を浮かべ“横綱になって今日の恩返しに土俵入りを見てもらいす”と誓って再会を約した。--それから七年、お蔦は一人娘のお君と二人で船印彫師の夫辰三郎の帰りを待ちながら飴売りをして細々と暮していた。三年以上も家によりつかなかった辰三郎も無性に家に帰りたい時が来た。長い間苦労をかけた妻子にせめて多少の貯えぐらいと思った辰三郎は、波一里儀十の鉄火場でいかさま賭博をしかけ、バレるや金をつかんで逃げ出した。そんな時、辰三郎と相前後して安孫子屋界隈を人を尋ね歩いている渡世人があった。追われる辰三郎はやっとの思いでわが家に帰りつくがすでに儀十の手は廻っていた。そこへ飛びこんできた茂兵衛は、審しげにみるお葛に金包みを渡しこの場はワッシにお任せ下さいと儀十一味を迎え撃った。親子三人が裏から落ちて行くのをみながら茂兵衛は叫んだ。“お蔦さん、七年前に櫛とカンザシ、巾着ぐるみ御好意をいただいた姐さんにせめて見てもらう、これが駒形茂兵衛の一本刀の土俵入りでござんす”--その言葉でお蔦は七年前の安孫子屋の店先きをはっきりと思い出した。“そうだあの時の取的さんだ”。

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