嵐の中の若者たち
劇場公開日:1960年10月5日
解説
加藤日出男の『友情行進曲』を、押川国秋が脚色し、「にっぽんGメン 摩天楼の狼」の伊賀山正光が監督した青春編。撮影も「にっぽんGメン 摩天楼の狼」の福島宏が抵当。
1960年製作/76分/日本
原題または英題:Get'em All
配給:第二東映
劇場公開日:1960年10月5日
ストーリー
或る町内に集団就職した若者たちの集り“根ッ子の会”の面々は、酒屋の店員で会のリーダー大吉、その恋人花屋の弘子、栗城病院の娘洋子、看護婦の美也子、豆腐屋の店員信太郎等で真面目な若者達である。彼らに反感を持つ町内のチンピラ多可志、石山、塚田、西川、谷口達はことごとに対立していた。そんな或る日、貧しい新聞配達の少年昭一が彼らの喧嘩に巻き込まれ重傷を負った。責任を感じた多可志は昭一を病院に入院させた。その治療費に困った彼は兄貫分のヤクザ岸本に金策を頼んだ。多可志の姉小夜子に気のある岸本は三万円を貸してくれた。岸本はこの際“根ッ子の会”をつぶすよう多可志に命令した。多可志はナイフを手に単身大吉を襲うが逆に組み伏せられてしまった。その時、石山等が助太刀に飛び出してきたが、大吉との一対一の勝負を望んでいた多可志は卑法な味方に激怒、大吉を助けてしまった。岸本から仲間を裏切ったリンチを受ける多可志を助け出した大吉は、小夜子と共に更生を勧めた。多可志が岸本に借りた三万円の借金に苦しんでいるのを知った大吉は、会員から三万円を集め彼に渡した。それから幾日か過ぎて、味噌問屋万作のところで働く多可志の姿があった。姉の小夜子もキャバレー勤めをやめて万作の店で働くことになった。しかし岩本等の魔手は、多可志の集金帰りを狙いバー・ポニーに監禁した。六十万円を山分けしようと誘惑する岸本、だが立派に更生した多可志の決意は固かった。岸本等の暴力に屈しなかった。急を知って“根ッ子の会”の面々、警官隊が駆けつけた。華やかな秋祭り、元気一杯神輿を担ぐ“根ッ子の会”の若者たち。