トップ屋を殺せ
劇場公開日:1960年9月8日
解説
石原慎太郎のオリジナル・シナリオを、新人高橋典が監督したもので、汚職事件のネタをつかんだ男の野望を描く。高橋監督は昭和三年生れ、日大芸術学部卒、主として佐分利信監督の他、「若い獣」「私は貝になりたい」等で助監督を勤めた。撮影は田地野万三。
1960年製作/80分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1960年9月8日
ストーリー
私立探偵島木浩は、東亜光学社長大垣弥三郎の夫人奈緒美から夫の素行調査を依頼された。島木は調査中に産業開発基金に関する汚職事件の重要な証拠物件である、中川代議士を中心とする会合写真のネガを手に入れた。情報屋小宮が芸者君葉に撮らせたものだった。小宮は島木に返却を迫った。彼はトボけた。中川は次の選挙で党首班を狙っていた。島木はこのチャンスを狙い、行動に移った。島木はネガを小宮に二百万で売り、大学生浜内と情事にふける奈緒美を脅し、大垣社長の重要メモをよこせといった。写真が新聞に発表にされた。中川一味はうろたえた。島木は浜内を通して奈緒美を脅迫した。ある日、大学に行き浜内を探した。そこで大学の事務員を知り夕食に誘った。彼女の父河合は中川一味の関係している役人だった。島木は約束を果さぬ奈緒美の肉体を犯し、三日以内に手に入れろと命じた。拘留されていた河合は、キメ手がなく保釈になった。メモが手に入った。島木はそれを二分して、一方を小宮に渡した。半分を持って島木は大垣を訪ねた。が、彼は島木を相手にしなかった。断念しない島木は京子を襲い、検察庁が追求中の重要書類を奪った。その頃、小宮や中川一味は政界上層部と計り、島木を窃盗、背任行為にしようと計った。島木はネタを持って新聞社、雑誌社を廻った。が、どこでも相手にされなかった。奈緒美、京子も彼を見離した。正義のために悪を減すことの出来るのは俺だけだ--島木は狂奔した。が、その背後に小宮の魔手が迫っていた。