野獣の眼
劇場公開日:1960年8月16日
解説
「鹿島灘の女」の八木保太郎と「少年漂流記」の森田新の共同脚本を、「吠えろ岸壁」の若林栄二郎が監督した新聞記者もの。「不死身の男」の佐藤三郎が撮影した。
1960年製作/75分/日本
配給:第二東映
劇場公開日:1960年8月16日
ストーリー
銀座のバー・スワンのマダム久永加代が刺殺されるという事件がおき、記者たちは色めきだった。東都タイムスの杉は鑑識課員に化けて現場検証にたちあい、加代に一人の妹京子がいることを知った。京子は口を閉じて何も語らなかった。加代の死んだ夫の弟でスタンド・バーをやっている吉川が彼女の面倒をみていた。杉は加代がかつて日本精糖社長堀内の二号であったことをつきとめたが、堀内は二百万円で彼女とは手を切ったと言った。加代はその二百万円の預金のうちから、犯行十二時間前に三十万円の金をひき出していた。杉は田畑という中年男の事件目撃者から、犯行現場には一人の小柄の女が介在していたのを聞きつけた。その頃、真野デスクのところに女の声で、加代と関係のあった三条という舞踊家が犯人だとの密告があった。捜査本部も彼を怪しんで逮捕した。が、彼は当夜加代の家にいたが、泥酔して意識不明になっていたと弁明した。姉を失った京子は神戸に一人で帰ろうとして吉川の反対をうけていた。彼は京子を愛していた。しかし京子の心の中にはいつしか杉の面影があった。杉は吉川のバーに聞き込みにいった。ところが女の声で電話がかかり、吉川が店を出た。杉があとをつけると吉川は春江という女と会った。春江は吉川が加代を殺したのを知っていることをタネに、彼に復縁を迫った。吉川はその場で春江を殺した。そして一人逃走した。彼は京子をさらって道づれにしようとした。彼は京子を愛しており、彼女の心を得ようと、邪魔な加代を殺したのであった。しかし警察の緊急手配によって吉川は捕えられた。杉は京子をしっかりと抱いた。