禁男の砂 真夏の情事
劇場公開日:1960年7月19日
解説
「禁男の砂」の第四話。岩間鶴夫と芦沢俊郎の脚本を、「断崖に立つ女」の岩間鶴夫で監督した、スリラー・コメディ。撮影は「恋の片道切符」の小杉正雄。
1960年製作/91分/日本
原題または英題:Princess in Edo
劇場公開日:1960年7月19日
ストーリー
夏季練習に伊豆の海にやって来た、南和枝をリーダーとするシンクロナイズド・スイミング・チーム「ウォーター・フォリーズ」の娘達は、ある日沖合に浮き沈みする人影を発見した。和枝と大西隆子が救助したその女性は、佐倉紡績社長の夫人富美子で、ヨットのシートが切れ、泳げない自分を救おうとして夫が行方不明になったと言う。悲嘆の最中、ホテルの裏で射撃練習の音もやかましい三人の学生に彼女達は文句を言ったが、若い者同士ですぐ仲良くなった。三人は城北大学射撃部の岡本健太郎、三谷洋介、小林譲二と言った。佐倉社長は死体となって発見された。一行が夫人を別荘に見舞った時、松本さかえはアルバムから夫人の水着姿の写真をデザインのために盗み取った。なぜか夫人は愕然とした。推理マニアの隆子は、夫人は泳ぎのうまいことを隠して折を見て夫を謀殺しようと企んだのではないかと疑ったが、皆笑ってとりあわなかった。写真を返しに訪ねた和枝達に、夫人は会社の水着ショーに出演するようすすめた。喜んで練習に励むある日、一行はライバルであるシンクロ・チーム「クリスタル・クラブ」のメンバーに襲われ水着を奪われた。佐倉夫人の支持でショーの出演を横取りされたためだった。困った一行が佐倉家専用のヨット発着場から上陸した時、隆子はKKとイニシャルのあるライターを拾った。夫人と共謀して佐倉社長を殺害した犯人のものだと隆子は推理した。健太郎たちはアルバイトで東京から来た小島圭一という青年と知り合った。彼は娘たちのなかでちか子と親しんだ。しかし隆子の兄が刑事であると聞いた時の圭一の驚きは異常だった。ショーの日が来た。楽屋、わずかのすきに隆子のピンがすり変えられた。「フォリーズ」の華麗なショーは、中断した。ぐったり浮き上った隆子は辛うじて病院で一命をとりとめた。伊豆に引返した和枝に健太郎は、佐倉夫人と圭一が海岸で抱き合うのを見たと告げた。夫人から再びショーの話が持ち込まれた。気のすすまぬ和枝に、ちか子が脱退を申し出た。夫人の別荘で全員を集めて隆子の全快祝いが開かれた。席上ちか子が圭一と結婚すると宣言した時、夫人の目は光った。健太郎は佐倉社長を謀殺した犯人が圭一であると直感した。翌日海上で圭一のモーターボートが健太郎を襲った。夫人が救いに海にとび込んだ。岸辺から洋介たちの撃つ弾丸に、ボートはエンジンを炎上して沈んだ。