襲われた手術室
劇場公開日:1960年5月11日
解説
「暁の翼」の共同執筆者・下飯坂菊馬に、田坂啓が加わった脚本を、「たそがれの東京タワー」の阿部毅が監督したサスペンス・ドラマ。撮影は宗川信夫。
1960年製作/64分/日本
配給:大映
劇場公開日:1960年5月11日
ストーリー
郊外のある質屋に三人組の強盗が押し入った。質屋の主人を射殺した。その銃声はパトロール中の警官の耳に入った。主犯の船山が警官の弾丸を右腕に受けた。雑木林に車を突込んで急停車した。エンジンがかからない。船山はどこかで車を探すことを命じた。--大山外科医院。院長の娘で女医の典子と、主任看護婦の楠幸子が典子と秋には結婚する沼田医師の帰りを待っていた。十二時、沼田が土産の箱をぶらさげて帰ってきた。そこへ、拳銃が突き出された。入院患者への危害を恐れた沼田はやむなく船山の傷の手当を始めた。が、船山の手当が終っても三人組は退散しない。逃亡のための車がないのだ。三人組は院長の車がかえるのを待った。玄関のブザーが鳴った。少年が急病なのだ。沼田は意を決して、この少年を手術室に運んだ。腸捻転と診断された少年の手術が始められた。共犯の塩田が手術室に入って来た。酸素の補充に薬局に走った典子は、ドイツ語でメモに「犯人は手術室にいる」とボンベの栓に貼りつけた。患者のひとりがこれに気づいたが船山らに発見されてしまった。塩田が典子の頬を打った。止血器が外れた。院長が帰えらないのを知った船山らは輸血用のビンをたたきつけた。沼田は、止むなく電話で血液銀行へ血液の補充を依頼した。その車で逃げようというのだ。しかし一瞬、不審を感じた警官隊が病院をとりかこんでいた。手術に成功した沼田と初枝の顔がほころびた。