ひばり十八番 お嬢吉三
劇場公開日:1960年4月26日
解説
瀬戸口寅雄の原作を「弁天小僧」の中田竜雄が脚色し、「御存じ いれずみ判官」の佐々木康が監督したおなじみの娯楽時代劇。撮影は「ひばりの森の石松」の伊藤武夫。
1960年製作/77分/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年4月26日
ストーリー
湯島天神の盛り場で、乱暴を働く悪侍の一団。が、この勘定奉行有馬の弟源之進らは、祭文売りの吉三にたちまちのされたのだ。吉三は通称お嬢吉三といい、暗殺された元勘定奉行矢頭の娘で、親の仇と弟を探していた。有馬は豪商相模屋と結託し、抜荷を働いていた。彼こそ矢頭家の家宝庚申丸を奪って失脚させ、矢頭夫妻を斬った男だった。源之進は相模屋を使って茶屋の娘おとせを妾にしようとし、借金の返済を迫った。駕籠屋権三と助十は、見かねて、金の工面に駈け回った。矢場の用心棒お坊吉三、吉祥院の和尚吉三、それにお嬢吉三の三人とも、すぐには金を調達できなかった。大川端で相模屋を呼びとめたのはお嬢吉三だ。相手を河に突き落し、胴巻を奪った。そこへ、お坊吉三と和尚吉三が現れ、争いになるが、おとせのためと話してわかった。三人は兄弟分の杯をかわした。おとせは源之進に邸へ連れこまれ、有馬にも襲われかける。吉三が飛びこんでき、吉祥院に彼女と逃げこんだ。お嬢吉三はその時、有馬の小指がないのを見た。親の仇?お坊吉三は連れの矢場の娘お栄からサイフを盗んだスリ・韋駄天の三次を捕えたが、そのお守りはお嬢のものと同じだった。お嬢は弟と対面した。有馬は悪事の露見をおそれ、相模屋をきった。さらに、庚申丸を種に金をゆする昔の仲間畔倉もきった。死際の畔倉から、お嬢は親の仇が有馬と聞き、若年寄神永から仇討赦免状をもらった。有馬は神永邸に爆薬をしかけ、神永とお嬢を消そうとした。三次の働きで無事だったお嬢は、有馬邸に乗りこんだ。お坊、和尚それに三次の助力で、親の仇を討ちとった。--舞台で、晴れやかに大見得を切るお嬢吉三に、客席からお坊たちが拍手をおくった。