外濠殺人事件

劇場公開日:

解説

植草圭之助・古川良範の脚本を、「二度とないぞ青春は」の池田博が監督した、一人の運転手がたどる物語。撮影も「二度とないぞ青春は」の中島信雄。

1960年製作/77分/日本
劇場公開日:1960年3月25日

ストーリー

タクシーの運転手小田清は疲れた体で飛ばしていた時、若い女佐藤昌子をハネ飛ばした。乗車禁止を恐れた清は自分の下宿に昌子を連れて来た。翌朝、家まで送ろうと言う清に昌子は宿無しだと答えた。意味ありげな様子に彼女の膝の良くなるまで部屋に置いておくことこした清は、同宿の同僚・吉田の昌子を見る目が気にかかった。昌子の足が良くなった頃、偶然、吉田が昌子に襲いかかっているのを見つけた清は吉田を殴り倒した。そして会社から金を借り五千円を吉田に渡して下宿を立退かせた。二人だけの生活が始まり愛情が自然に生れていった。暗い過去に怯える昌子は結婚に反対したが、清の純粋な愛情に未来を委せる気になった。二人は結ばれた。幸福な日々が過ぎた。そんな或る日、山口という男が現れた。昌子の姉の夫が彼女を青線バーに売り飛ばし売春を強要した。そこを逃げ出した時の前借三万円を払えと言うのである。清は必死になって働いた。だが金は集らない。遂に清はエントツを始めた。すぐ監視員に発見され会社を首になった。最後の頼みに清は、故郷の父母の許に行くが二万余の大金が作れるわけもなかった。その頃、昌子は清の帰って来るのを待つ間、民謡酒場で働いた。万策つきて東京に帰って来た清はあてもなく車に乗った。マッチを取り出そうとケースを開けた運転手の手の下に二万円余の札束。そこへ喰い入るように、焦悴しきった清のうつろな目が吸いつけられる。それを錯覚した運転手がスパナを持って打ってかかった。--昌子の許へ蒼白な顔の清が戻って来た。父が都合してくれたと昌子に金を渡す清はひどく震えていた。“これで私達は救われるのね”喜ぶ昌子を見て清は事実をしゃべれなかった。翌朝刑事が清を連れに来た。「被害者は一命を取り止めたよさあ行こう」。

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