白い波涛

劇場公開日:

解説

雑誌『平凡』に連載された富田常雄の原作を映画化したもので、池田忠雄と田畠恒男が脚色し、「若手三羽烏 女難旅行」のコンビ田畠恒男が監督し、布戸章が撮影した。

1960年製作/95分/日本
原題または英題:Three Brothers and the UnderWorld
劇場公開日:1960年3月18日

ストーリー

東都大学柔道部主将の滝士郎には海外航路に従事している良一と、製薬会社に勤める勇夫という二人の兄がいる。軍神としての父親の影響をうけた長兄の良一は、二人の些細な落度も口喧ましく叱りとばした。気の弱い次兄の勇夫はそんなことが原因でひと頃やくざの仲間に落ちたが、バーのマダム真知子との結婚を希望に更生の道へと歩んだ。しかし昔の仲間安平や進は、勇夫の会社で、ある特効薬を完成したことをしり勇夫をアジトの倉庫に連れこみ薬の分析表を盗みだせと強要した。それを知った士郎は倉庫に暴れこみ勇夫を救ったが手を負傷する。そのお蔭で看護婦の環を知った士郎は、傷の治療に名をかりてせっせと通った。そんな士郎に環は好意を持った。しかし士郎に好意を持つ進の妹ルミに同情したサキは酔っぱらって病院にどなりこんだ。ために、環は病院を追われた。一方良一は昔関係のあった紀子がすっかり生活を崩していることに責任を感じ彼女と結婚しようと思った。だが、紀子は責任から結婚しようとする良一に激しい憎しみをもった。勇夫はその頃から胸の病いが悪化し何度も喀血した。真知子はしばしば勇夫を見舞ううちに、良一を慕うようになった。勇夫は大島のサナトリウムに、真知子は親戚を頼って大阪へ、良一は航海にでた。勇夫の病いは回復の兆をみせていたが、そこへ東京を食いつめた進が流れてきた。進はハワイ転地療養を種に分析表を盗みださせた。だがこの企みの裏には紀子と大垣が絡んでいた。「弟を罪人にしたくなかったら我々の要求を聞け」良一は呆然とした。良一の船で大垣の密輸品を香港に運ばせようと計ったのだ。女の復讐、紀子の憎悪がこもっていた。一方士郎は環の行方を懸命に探し廻った。そんな士郎をみかねたルミは自分の恋をあきらめ、伊豆に帰った環を士郎のところに連れてきてやるのだった。勇夫は責任を感じて安平の所に乗りこむが、血を吐いて倒れた。そして駆けつけた士郎に良一の危険を告げて死んだ。その頃香港で大垣の密輸品をつんで良一の船は東京湾を目指していた。士郎の急報によって海の非常線が張られた。--晴海埠頭に、静かに入ってくる良一の船、埠頭では真知子と環がちぎれるように手を振っていた。

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