孔雀秘帖
劇場公開日:1960年1月9日
解説
陣出達朗の原作を、「血太郎ひとり雲」の結束信二が脚色し、「ひばり捕物帖 ふり袖小判」の内出好吉が監督した明朗娯楽時代劇。「長七郎旅日記 はやぶさ天狗」の鷲尾元也が撮影した。
1960年製作/59分/日本
原題または英題:The Second Bullet
配給:東映
劇場公開日:1960年1月9日
ストーリー
ある夜、森藩緋鹿ノ子城に家宝「孔雀の兜」をねらって忍び込んだものがあった。藩番里村隼人の手で兜は奪い返され、兜奉行磯貝帯刀がこれを預かった。一味は帯刀を斬り、娘小夜を人質にしたが兜の行先は知れなかった。これを知るのは帯刀が夜空に放した小夜の九官鳥であった。--「孔雀の兜」は城主播磨守の先祖が大阪夏の陣の功により家康から賜ったものだが、外様大名取潰しを企む老中松平伊豆守がこれに目をつけた。即ち伊豆守の配下一色主水ら一味の手で家老赤松内膳と結託して兜を隠とくし、これを契機に播磨守を失脚せしめようというのであった。--帯刀のもとにかけつけた隼人は不思議な浪人を見たが、九官鳥を追って殺到した主水一味から隼人を救ったのはその浪人であった。兜の紛失にわく緋鹿ノ子城に、将軍の兜上覧の報がもたらされた。期日迄に兜を差し出さねば森家は断絶だった。江戸上屋敷から国許へ派遣された森藩の若侍は道中伊豆守の隠密団に次々と外された。小夜を慕って舞い下りた九官鳥を捕えた主水は喜色満面、しかしたちまちにして浪人葉上小源太に小夜もろとも奪われてしまった。九官鳥の“くろ”を捕えたのは万吉少年だった。金欲しさに万吉は主水に届けたが、主水は約束を守らず、万吉は再び“くろ”を空に放した。伊豆守は播磨守に刺客を送ったが失敗した。兜献上を三日の後に控え、播磨守は伊豆守の奸策に激しい闘志を燃やした。ついに隼人に捕えられた“くろ”は小夜に隠し場所を教えた。場所は“月宮”……しかし忍び込んだ主水の部下もこれを聞いた。月宮の拝殿に主水一味が押し寄せた。拝殿の中から現われたのは金色に輝く「孔雀の兜」を持った小源太だった。その頃、急拠国入りをした播磨守は内膳らと対決したが、多勢に無勢次第に追い込まれた。かけつけて一味を斬ったのは小源太の柳生流秘剣であった。いかにも、小源太は播磨守に頼まれた新任の森藩指南役であった。播磨守を先頭に兜献上の一行ははればれと歩を運んだ。