夕陽に向かう

劇場公開日:

解説

「霧のバラード」の長谷川公之が原案・脚本を担当し、「喜劇 大激突」の田中康義が監督した青春もの。撮影は同作の堂脇博が担当した。

1969年製作/86分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1969年10月15日

ストーリー

高山弘は、スナックに勤める姉と二人暮しで、橋梁工場で働いていた。しかし弘には、海外で働きたいという夢があり、会社に内緒で東南アジア開発事業団の試験を受けていた。そんなある日、弘は、駅のホームで、ミキと初めて言葉を交わした。二人は、次の日曜日のデートを約束した。日曜日、弘は、故郷の大砂丘のことを、ミキは、寮の友達のことを夢中になって話した。二人の心は急速に接近した。二人は日曜日毎のデートを約束した。ところが数日後、弘の会社で、盗難事件が起き、弘が疑われた。弘は、激怒して、真犯人を探し、辞表をたたきつけて、会社を辞めた。ちょうどその時、合格通知が届いていた。姉は喜んだが、そこへ、ミキの失踪が知らされた。弘との仲をねたんだ同僚の良子が、ミキの過去のことを調べ、部屋の者に暴露したためだった。隠していた刺青の跡を見せて、啖呵を切ったミキは、「ひとりで夕陽が見たい」といい残して嵐の中を飛び出して行ったという。それを聞き、弘はピンときた。鳥取の大砂丘--。弘は、駈けつけた、ミキは危うく死から免れた。「生きろ!生きるんだ!」弘の言葉に、ミキは大粒の涙をこぼした。砂丘に立ちつくす二人の向こうに、夕陽が水平線に没しようとしていた。

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