禁断の果実
劇場公開日:1968年9月10日
解説
神律拓夫の原作「熱い渇き」(三一書房版)を、「青春の風」の才賀明と「燃える雲」の蘇武道夫が共同で脚色し、「東京ナイト」の鍛冶昇が監督した青春もの。撮影は「無頼非情」の山崎善弘が担当。
1968年製作/82分/日本
配給:日活
劇場公開日:1968年9月10日
ストーリー
憂鬱な受験勉強に明け暮れる坂崎弘は、やり場のない青春のハケ口を悪友との交際で紛わしていた。今日も、弘は遊び友だちのユリから頼まれて、彼女の友人八重子をソープランドから脱走させ得意だった。画家の娘北沢怜子は、そんな弘をひと知れず心配していた。一方弘には、そんな怜子が友だちというよりは女として感じらるのだった。弘が八重子を郷里に帰した日は、怜子の誕生日でもあった。怜子は招待した弘の不参加にわびしさを隠せなかった。その頃弘も、怜子と会いたくて彼女の家の廻りをうろついていた。翌日、怜子は弘に来なかった理由を問い正した。だが弘の返事は曖昧なものだった。怜子は弘の真意を確かめることにした。弘を追ってフーテン族の溜り場へ来た怜子は狂ったように踊った。いたたまれなくなった弘は、彼女を誘って外に出た。そして家に送る途中、性の衝動にかられた。怜子は愛する弘のために、彼が要求する行為を許した。だが、怜子のショックは大きかった。いままでの友情が、愛情に変わっているとも知らず、二人はその姿を確かめることが出来なかった。若い二人は、互いに悩み、顔を合わせることすら出来なかった。そんなある日、弘は悪友と共謀して有閑マダムの朝子から金をまきあげた。だが以前の興奮は味わえなかった。やがて、夏が来た。怜子は友だちと湖畔のキャンプ場に出かけた。その時、弘も五宮やユリと共に対岸の別荘に来ていた。愛する弘と一緒でない怜子にはやるせない日々だった。そんなある日、怜子に五宮が愛を迫った。ユリからその知らせを聞いた弘は、狂ったように湖畔にのりだした。湖畔に愛を確かめあう二人の姿が見られたのは、それから間もなくのことだった。