ウルトラセブン

劇場公開日:

解説

TBS系列二十二局ネットで放映されている同名ドラマの劇場用映画化。監督はテレビと同じ円谷一。

1968年製作/25分/日本
原題または英題:Ultra Seven
配給:東映
劇場公開日:1968年7月21日

ストーリー

一九八七年のこと、遊星間では侵略戦争が激化しており、地球においては防衛軍を組織して外敵に対抗していた。そんなある日、ソガとアマギのウルトラ警備隊員が行方不明になった。必死の捜査にもかかわらず、二人の消息は、ようとして知れず基地には憂愁の空気がみなぎった。だが二人の隊員はベル星人が地球攻略のために造ったギジ空間に迷い込んでいたのである。鈴の音が響きわたりヒルが身体に吸いつき、怪物クモンガや人喰い植物が二人を目がけて襲いかかってくる。救いを求めるソガとアマギの絶叫がビデオシーバーを通じて地上に伝えられその緊急音をたよりにウルトラホークが発進し、ギジ空間に向った。二人の隊員は救いだされたが、今度はダン隊員がベル星人の仕掛けた罠に落ちこんでしまった。最後の力をふりしぼって取りだしたウルトラアイガーを顔にはめると、ダンの姿はたちまちウルトラセブンに変身し、ベル星人に立ちむかった。やがてベル星人はウルトラセブンに倒され、ギジ空間は消滅していった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.5冬木透さんを偲んで

2024年12月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

萌える

冬木透こと作曲家の蒔田尚昊
2024年12月26日誤嚥性肺炎のため89歳で他界
「セブン!セブン!セブン!(ホルン)」で有名なウルトラセブンのテーマソングを作曲した

監督は『ウルトラマン(1967)』の円谷一
脚本は『ウルトラマン(1967)』の金城哲夫

劇場公開は1968年7月
東映まんがパレード(のちの東映まんがまつり)四本立て
オリジナルではなくテレビ版18話『空間X脱出』のブローアップ
同時上映は『ゲゲゲの鬼太郎』『魔法使いサリー』『太陽の王子 ホルスの大冒険』
『ゲゲゲの鬼太郎』はTV版第1シリーズ第5話第6話『大海獣 前編後編』のブローアップ
『魔法使いサリー』はTV版第77話『小さな魔法使い』のブローアップ
オリジナルはスタッフとして宮崎駿も参加した高畑勲初監督作品『太陽の王子 ホルスの大冒険』のみ

粗筋
ウルトラ警備隊のスカイダイビング訓練中にソガ隊員とアマギ隊員が行方不明
飛行機から落下したはずなのに降りてこない
風に流されたのかもしれないと捜索したが見つからず
両隊員はベル星人が作り出した擬似空間に迷い込んでしまった
擬似空間は雲の中
霧が立ち込める森の中
セミかと思いきやダニやらノミやらわからぬがそれにしては大きい血を吸う小型節足動物
緑のガスを吐く蜘蛛のようだが蜘蛛っぽくない顔をした蜘蛛にしても大きい節足動物
隊員を引っ張るワカメやら昆布やらわけのわからない吸血植物
ウルトラホークで救出に向かう隊長とアンヌとダン

ベル星人は秋の虫のように音を出している
モチーフはコオロギらしい
人間はそれほどでもないがセブンであるダンは耳がいいので苦しむ

格闘戦が弱いしビームとか火を吐くとか飛び道具はない
アイスラッガーを避けて空を飛んで逃げるがセブンに追いつかれる
湖でビショビショになりながら格闘
派手に散ることなくモヤッと消えてしまう
清々しさがない
擬似空間も消える

ウルトラホークで脱出したウルトラ警備隊
5人は基地へと帰還するわけだが隊長は隊員に対し「神なき知恵は知恵ある悪魔をつくることなり」という格言を述べた
元ネタは「神なき知育は知恵ある悪魔をつくることなり」
玉川学園を創立した小原國芳のお言葉である
神をも恐れぬ傲慢なインテリは悪党にもなるということなのか
因みに玉川学園は金城哲夫の母校である

それにしてもなぜ劇場公開にこの作品を選んだのか謎
おそらく一脚本家に留まらず『ウルトラセブン』に関しては大きな影響力がある金城哲夫が尊敬したであろう母校創始者のお言葉そして彼の思想をさらに広げたかったのかもしれない

配役
ウルトラ警備隊隊長のキリヤマ・カオルに中山昭二
ウルトラ警備隊隊員のモロボシ・ダンに森次晃嗣
ウルトラ警備隊隊員の友里アンヌに菱見百合子(現・ひし美ゆり子)
ウルトラ警備隊隊員で柔道の有段者のフルハシ・シゲルに石井伊吉(現・毒蝮三太夫)
ウルトラ警備隊隊員で射撃の名人のソガに阿知波信介
ウルトラ警備隊隊員で高所恐怖症のアマギに古谷敏
擬似空間に詳しい地球防衛軍参謀でウルトラ警備隊を指揮するマナベに宮川洋一
上空でウルトラ警備隊のスカイダイビング訓練に協力した地球防衛軍隊員に東隆明
ナレーターに浦野光

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野川新栄

2.50016 わからん?!それはこっちのセリフだ

2024年6月28日
PCから投稿

1968年公開
夏休みに公開された劇場版ウルトラセブン。
第18話「空間X脱出」
おそらく映画館で見た一番最初の映画(なのか!?)
併映はゲゲゲの鬼太郎、魔法使いサリー(やったのかー?)
何故か配給は東映
夏休みなので東映まんがまつり?だったのか。
円谷プロは東宝と喧嘩したのか!?
どこでみたっけ?確か豊中駅の前やったか?

謎だらけの映画鑑賞
50点

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共感した! 1件)
NWFchamp1973

4.0「空間X脱出」

2016年7月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

先日、古いビデオを整理していたら偶然発見。
もはやいつ録画したかすら分からない、「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」の劇場版。
見たくなって即座にビデオデッキを引っ張り出して鑑賞、言うまでもなく画質はメッチャ悪かったけど。

劇場版と言ってもTVシリーズの編集版。
「ウルトラマン」の方は、第1話「ウルトラ作戦第一号」と第8話「怪獣無法地帯」と第26・27話「怪獣殿下」の豪華メニュー。
TV編集版とは言え、ウルトラマン誕生の回とレッドキング他怪獣が多数登場する回とゴモラ(一番好きなウルトラ怪獣!)が大暴れする回なので、劇場で観ても面白いに決まってる。
一方の「セブン」は、第18話「空間X脱出」。

パラシュート訓練中、ソガ隊員とアマギ隊員が行方不明に。
二人は、ベル星人が作り出した異空間に迷い込んでいた…。

特別セブンことダンが主役って訳でもなく、深いメッセージがある訳でもなく、今となっちゃ何でこれが劇場版になったか不明。でも、
スモークや照明や音響で不思議な異空間を演出。
何処かカメムシみたいなベル星人。
異空間の森の中には、吸血蛭や毒ガスを吐く巨大蜘蛛や人間を襲う植物の蔓など危険がいっぱい。
果たしてセブンはベル星人を倒し、両隊員を救出し、異空間を脱出する事が出来るのか?
…という、明朗な娯楽エピソード。
これはこれで面白かった。

さて、何故「ウルトラマン」の方じゃなく、「ウルトラセブン」のレビューを書いたのか。
これはもうただただ、「セブン」について語りたかったから。
以下、ちょっと脱線しますが…

数多あるウルトラシリーズ。
子供の頃は初代マンが一番好きだったけど、大人になって見ると、セブンが断トツに面白い!
初代マンは言わば、ヒーローが怪獣を倒す単純な勧善懲悪モノだったのに対し(勿論「故郷は地球」など考えさせられる名作も多数!)、セブンに登場するのは知的異星人。
ただ邪悪な侵略者ってだけじゃなく、時には異星人の言い分に一理ある事もしばしば、中には弱々しい異星人も居て(例えばペガッサ星人)、彼らを倒すのは如何なものかと疑問を投げかける。
侵略、闘い、正義、人類とは…?
それらに苦悩しながら戦うウルトラセブン。
人間臭いヒーロー像。
子供の時には難しくても、今大人になってからこそ響く魅力。
冷戦時代を映し出したSFドラマとしても上々。
メカニックはカッコいいし、アンヌは可愛いし、ヘッポコなカプセル怪獣は愛おしいし、冬木透の音楽もシリーズでは最高!

好きなエピソードは挙げたらキリがないが…
ちゃぶ台の会話、夕陽の決闘、皮肉たっぷりのナレーション…全てが忘れ難い第8話「狙われた街」。
行き過ぎた兵器開発は悲劇を招く…第26話「超兵器R1号」。
人間こそ侵略者ではないのか? ラストのキリヤマ隊長の台詞にも戦慄する、脚本家・金城哲夫の才気がほとばしった屈指の傑作第42話「ノンマルトの使者」。
人間がロボットに支配される時代の先見…低予算故のアイデアが冴えた第43話「第四惑星の悪夢」。
そして、説明不要、感動の最終回、第48・49話「史上最大の侵略」。

「シン・ゴジラ」も公開間近。
奇しくも今年はウルトラマン誕生50年。
本作を見ていたら自分の中のウルトラ熱が再燃。
いつぞやWOWOWで録画したウルトラシリーズ(「Q」~「レオ」)をぼちぼち鑑賞。
中でも、真っ先にチョイスし、一気見してしまったのが、

♪セブン セブン セブン セブン…
 セブン!セブン!セブン!
 セブン!セブン!セブン!

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近大