獄中の顔役のレビュー・感想・評価
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昭和残侠伝と新網走番外地を足して4で割った作品
東映任侠モノで、すっ飛ばされる獄中のドラマを盛り込んだけど、獄中兄弟がシャバで共闘するわけでもなく、クライマックスで池部良が助太刀に現れるカタルシスも無い為、少し不完全燃焼。
それでも健さんはカッコイイし降旗監督が撮る藤純子さんはピュアで美しいので、それだけで◎
(2人共、唐獅子も龍も緋牡丹も無いのが新鮮)
天津敏さん今回も渋いです。
普通のヤクザもの
一年の刑で再び刑務所に入ったが、そこは東房と西房が対立しており、そのまま本間組と田島組との対立構造になっていた。速水が入ったのは西房。元々田島のために働いていたので、すんなり受け入れられた。東房で、今は本間の客人となっていた旧友の黒崎(池部良)と出会い、同じく特別房にいる本間組長との手引きを頼むが、やがて本間は黒崎に速水を殺すよう命令を下す。しかし、やはり旧友。彼らはよりを戻した。そして黒崎はいち早く出所し、本間に命ぜられるまま田島を殺害。その場で本間たちに殺されてしまう・・・そして出所した速水が競輪場の利権を牛耳ることになった本間一族を次々と殺しまくる。また逮捕。もうシャバには出てこれないだろう・・・
ただただ高倉健の魅力だけを引き出そうとした映画で、何の奥行きもない。面白かったのは山城や由利徹、左とん平などのコメディアンが目立ってたことくらいか。タイトルにもなってる“顔役”というのは、喘息持ちのとっちゃんのことか?もうちょっと彼を描いてくれればいいのに。
ワンパターン侠道
高倉健主演のTHE東映任侠映画。
名コンビ・降旗康男との1968年の作品。
高倉健が歌うコテッコテの侠唄で始まり、
出所し、世話になった組長へ会いに行く男。
組長の娘は男を待っていたが、男は想いに背を向けて。
組長は敵対組と競輪の利権争いで揉め、目をかけてた子分を殺される。
男は恩に報いる為に殴り込み。再びムショへ。
…と、ここまでは王道パターンだが、それからどうも煮え切らず。
ムショの中。
人情深いおやっさんや腕のいいギター弾きの若者、コミカルな面子らが揃うが、ムショ内任侠物としては「網走番外地」には及ばず。
ムショ内で出会ったのは、敵対組の組長とそちらの側に付いている旧友。
旧友と対する事になるが、まだ友情が。
やがて旧友は出所、足を洗う為最後にある仕事を引き受けるが…。
男も出所し、全ての落とし前を着け、またまたムショへ。またまた組長の娘の想いに背を向けて。
出所→いざこざ→入所→結ばれぬ男と女~出所→いざこざ→入所→結ばれぬ男と女…と、要は巧くやれば一回で済むような展開をわざわざ繰り返してるだけ。
不器用な任侠道でしか生きられないと言ったら哀愁感じさせるが、これと言って新味は無い。
カッコいい健さんは見られる。
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