恋人と呼んでみたい
劇場公開日:1968年2月1日
解説
赤松光夫の原作「ミステーク時代」(秋元書房刊)を、「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」の高橋二三が脚色し、「花と果実」の森永健次郎が監督した歌謡青春もの。撮影は「おゆきさん」の藤岡粂信。
1968年製作/85分/日本
原題または英題:The Puppy-love Singers
配給:日活
劇場公開日:1968年2月1日
ストーリー
進学組で一流大学を狙っている次郎と、就職組のリーダー武は何かと対立していたが、鶴子が好きなことでは歩調を合わせていた。ある日、次郎と武は、やはり鶴子を好きな悪友の又八郎の計略で、担任の沢庵先生から教えられた万葉集の恋歌を書いた手紙を、差出人不明で鶴子に出した。鶴子の反応を見て、彼女が好きな男を知ろうとしてのことだが、沢庵の和歌好きを知る鶴子は、ラブレターを書いたのは沢庵と誤解してしまい、三人の計画は失敗。そんな時、武は仲間を集めてエレキバンドを結成し、たまたま、ある一流のジャズ喫茶店で時間つなぎのため演奏したところ、女流音楽評論家の幸子の目にとまった。幸子は武のバンドを調査するため、高校までやってきた。幸子には沢庵に会うというもう一つの目的もあった。二人は学生時代からの恋人同士だったのだ。おかげで幸子に一目惚れした又八郎はすっかり、しょげ返ってしまった。一方、武は新校舎建設のための寄付金を、エレキの演奏会で集めようと考えていた。しかし、エレキでは公民館の使用許可を得られないので、和歌発表会の名目で、沢庵に協力を頼んだ。次郎はそれを知りながら、和歌発表会の正体を暴露する気にはなれなかった。もともと良きライバルの武が、貧乏なために就職組に回ったとは言え、そのバイタリティに次郎は感嘆していたのだった。演奏会は成功だった。しかし、だまされたと知った町長や校長は、武を退学にし、沢庵をクビにしてしまった。ところが、武は一日も早く楽団を世に出したいと思っていたところだったし、沢庵も外国留学が決ったところだったので、お互に激励しあいながら、高校を去ることになった。鶴子は一足先に世間にとび出していく武に、心から励ましの言葉を送るのだった。