任侠 魚河岸の石松
劇場公開日:1967年11月23日
解説
宮本幹也の同名原作(芸文社刊)を、「男の勝負 関東嵐」の高田宏治が脚色し、「侠客道」の鈴木則文が監督したアクションもの。撮影は「男涙の破門状」のわし尾元也。
1967年製作/89分/日本
原題または英題:Ishi in a Fish Market
配給:東映
劇場公開日:1967年11月23日
ストーリー
昭和三十三年の東京中央卸売市場では、暴力団金竜興業の社長砂川が、卸売会社の一つ大東水産と結び、新しい勢力を張ろうとしていた。この魚河岸で働く遠海漁業の運搬人“魚河岸の石松”こと木村松吉は、暴れ者だが義理人情に厚かった。先日も、大東水産のキノキンとキャバレー黒水仙のホステス由美との仲をとりもちその経営者砂川の弟英人を怒らせてしまった。そうした頃、魚河岸では独航船からマグロの陸揚げが始まった。石松やキノキンらに混って汗を流す遠海漁業社長国枝の娘美智子の姿もあった。心をうたれながら、その様子を眺める独航船の漁撈長花輪に砂川が、新会社に漁獲を廻し、手を組まないかと話しよった。平素、国枝に恩義を感じる花輪は断った。勢力拡張に燃える砂川兄弟は、石松らの親睦会が慰安旅行に出かけると、美智子に縁談を持ちかけた。その美智子には、梅村という婚約者がいた。梅村は金竜会の代貸で、彼が出入りの責任をとって、刑務所に服役したあと、梅村の兄弟分砂川が金竜会を金竜興業と変えてしまったのだった。それに砂川の魂胆を知る国枝は、英人との縁談を蹴った。怒った英人は、委任状をもって大東水産が国枝に貸付けている六千万円の速刻返済をせまった。砂川の悪企みに、金竜興業にのり込んだ石松は逆に刺されそうになった。それを救ったのは、出獄間もない金竜会の梅村だった。石松は梅村と幼馴染みだった。数日後、国枝の借金返済用の正月エビを満載した船が接岸した。国枝の会社粉砕を企てる砂川は冷凍庫に火を放った。一生一代の商品を運び出そうと火の海に飛び込んだ国枝は、煙に包まれ息とだえた。度重なる悪辣な仕打ちに怒った石松は砂川に立向った。梅村も先代の築きあげた金竜会の代紋を汚したとドスを抜き砂川に突込んでいった。