坊っちゃん社員 青春は俺のものだ!
劇場公開日:1967年4月1日
解説
源氏鶏太の原作『坊っちゃん社員』を、「狸の王様」の山本嘉次郎が脚色し、「これが青春だ!」の松森健が監督した青春もの。撮影は「殺人狂時代」の西垣六郎。
1967年製作/79分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1967年4月1日
ストーリー
城北大ラグビー部出身の北村建設の新入社員昭和太郎は、念願の南海市の出張所へ勤務することになり、意気揚々と東京を発った。途中、汽車の中で知り合ったトンコから南海市は住みにくい町であるとホノメかされた。翌日出勤した太郎の初仕事は、町のボス市議の平林たちをトンコの経営する“とんぼ”に招待するという簡単なものだった。太郎に再会したトンコは大喜びで、何くれとなく彼に優しくするのだった。その夜、庶務課長山田の案内でバー“南海”に行った太郎はホステスの奈々子に惚れられてしまった。ここで一大事件が起った。山田は大事に持って帰った風呂敷包みを開けた途端、びっくりしてしまった。実はその中には“とんぼ”からのみやげ物の中に工事のリベートが入っていたのである。包みの柄が同じなので番頭が間違えて手渡してしまったのだ。真相を知った太郎は実にイヤな気持になった。その上日曜ともなると、トンコと奈々子が競争しで彼の部屋にやってくる始末。クサクサした太郎は久しぶりにグラウンドに立った。たまたま、平林の息子一郎もラグビーをすることから、石山所長の発案で、親睦試合をすることになった。そして賞金にかこつけて、れいのリベート百万円を平林に贈ることにした。試合は北村建設の優勢のうちに進んだが、審判は平林組に有利な判定を下した。怒ったトンコたちは、強引に審判を交替させた。勿論北村建設は勝ち、これで太郎はやっと青春をとり戻した思いだった。だがその夜トンコは太郎に、石山たちが、負けた平林に賞金を渡したことを告げた。そして、太郎はつくづくサラリーマンの不甲斐なさを感じるのだった。トンコを送って行く途中二人の前に、昼間平林組の審判をしていた般若の鉄たちが立ちはだかった時、太郎はここぞ!とばかり一団の中にダッシュしていった。