三匹の牝猫
劇場公開日:1966年9月7日
解説
藤原審爾の原作『誘惑計画』を、「マカオの竜」の山崎巌が脚色、「愛して愛して愛しちゃったのよ」の井田探が監督した風俗もの。撮影は「鉄火場仁義」の萩原泉。
1966年製作/80分/日本
配給:日活
劇場公開日:1966年9月7日
ストーリー
母と二人で小料理屋を営む三崎葉子は、ある日、暴力団里見興行の幹部木村に、暴力で犯されたうえ、その腕にバラの刺青をされてしまった。憎悪に燃える葉子は、ナイフで木村を刺して逃れた。そんな葉子の身を案じた、流しをしている矢代は、彼女に熱海の友人の家へ行くことをすすめた。熱海に向う車中、葉子は、中年の男にしつこくからまれている女斉田みどりを助けた。ところがこのみどりは、熱海の釘貫一家の親分の情婦で、退屈しのぎに男をからかっていたというのだ。暗い想い出と勝気な熱い血を合わせ持つ二人の女は意気投合し、葉子はみどりの経営するクラブで働くことになった。熱海に着いた二人は、そこで、お上りさんに化けて、彼女を誘惑しようと、よって来るチンピラを脅迫して、金をまきあげている、牝猫まりこと、今川まりを知った。今までさんざ、男にだまされつくした三人は、今度は、身体をはって、逆に男を利用して、一財産築こうと協力を誓い合った。まず、みどりが釘貫からあずかっていた三百万円を持逃げして、三人そろって熱海を逃げだし、横浜の豪華なマンションに住みついた。やがて三人は残った金で身なりをととのえ、カモの現れるのを待った。まりは五井不動産の重役利根の息子健次を、葉子が公社の幹部林を、みどりが、ビューティーサロン会長松前を、各々自分の身体を犠牲にして、金をまきあげていた。そのころ、女たちに裏切られた里見と釘貫は必死に女たちの後を追っていた。葉子を慕う矢代は、彼女の身を思って、単身里見興行に乗りこみ、里見らを賭博の現行犯で警察に引渡した。だが、まりと葉子は、松前の毒牙にかかったみどりを救いに熱海へ車をとばす途中、執念深くまりを追う健次の車に追跡され、運転を誤って崖下に転落し、葉子は命を絶ち、まりは奇跡的に助けだされた。これを知ったみどりは、今の生活に愛想をつかし、まりから去っていった。一人残ったまりは、「……絶対男なんかに負けへん!」と執念の瞳を輝かすのだった。それが空しいこととは知りながら……。