あばずれ
劇場公開日:1966年2月25日
解説
「暗黒街仁義」の渡辺祐介と「ジェリーの森の石松」の神波史男が共同でシナリオを執筆、渡辺祐介が自ら監督した風俗もの。撮影は「冷飯とおさんとちゃん」の飯村雅彦。
1966年製作/87分/日本
配給:東映
劇場公開日:1966年2月25日
ストーリー
鋳物工場の立並ぶ埼玉県川口市、荒川放水路脇の貧民街。そこのベッドハウスに住む松永ユキは罐詰工場に通いながら、酒びたりの父親民三とバクチに明け暮れる弟ケンジを養っていた。そんなユキを、隣人の焼芋屋のオヤジ遠見源造は暖い眼で見守り、彼が空中ブランコのスターとして華やかに過した若かりし頃の想い出話をユキに聞かせるのだった。こうしてユキは次第にサーカスを夢見るようになった。が、そんなある日、ユキは民三がベッドに住む後家と深い仲になって子供をはらませたことを知った。このことがあって以来、父民三に嫌気がさしたユキは、以前源造爺さんから聞いたノグチ・サーカス一座を訪ね、強引に団長野口辰五郎を口説きおとして、一座に仲間入りした。ところが、この一座の花形ブランコ乗り梅村哲次は、大変な好色漢で、仲間の猛獣使い山本文造の妻洋子と関係をもつ一方、ユキにも色眼を使いだした。が、こんな哲次の姿を面白く想わないのは、数年前父のブランコでの事故死によってブランコ乗りをやめていた矢代三郎だ。三郎は、ユキに密かな想いをよせていたのだ。やがて、三郎はユキのために再びブランコに乗る決心をした。ユキと共にブランコの練習に励む三郎の顔は、明るかった。そんな三郎にユキも次第に心魅かれ、二人の間にはいつしか恋が芽生えていった。ところがそれもつかの間、ある日ユキは哲次に無理矢理に犯されてしまった。ユキはやがて妊娠し、三郎は哲次を刺すと、そのまま姿をくらましてしまった。ユキも三郎を追って街をさまよい、ある日街のバーで、今は愚連隊に身をやつしている三郎に会った。その後二人は久しぶりの甘い陶酔に浸った。が、翌日三郎の今の兄貴分が、ユキに客をとらせろと迫った。三郎はこれに反抗し、乱闘の未、刺されて息絶えてしまった。今は夢も消えはて、しょんぼりとベッド・ハウスにもどって来たユキを暖かく迎えてくれたのは、あの源造爺一人であった。
スタッフ・キャスト
-
松永ユキ緑魔子
-
矢代三郎山本豊三
-
野口辰五郎志村喬
-
梅村哲次待田京介
-
松本浩助潮健児
-
山本文造相馬剛三
-
村上沢彰謙
-
喜助小林稔侍
-
良介大前均
-
一公須賀良
-
モヨ浪花千栄子
-
山本洋子加茂良子
-
野口カネ檜有子
-
野口芳江二宮恵子
-
ハル五月女マリ
-
丸子佐々木伊都子
-
露子水野由美子
-
銀子小笠原慶子
-
速見源造大坂志郎
-
松永民三河合絃司
-
松永ケンジ白井武雄
-
金山佐藤晟也
-
上杉サダ中北千枝子
-
チエ小甲登枝恵
-
イク東百合子
-
ヨシ谷本小夜子
-
セツ志麻ひろ子
-
キクノ田沼瑠美子
-
松子樋口かずみ
-
看護婦竹村清女
-
仙波八名信夫
-
チンピラA伊達弘
-
チンピラB原信夫
-
年増のチンドン屋若水ヤエ子
-
ホステスA日吉順子
-
ホステスB天野世津子