破れ証文
劇場公開日:1966年1月15日
解説
「あんま太平記」の笠原良三がオリジナル・シナリオを執筆、「密告者」の田中重雄が監督したアクションもの。撮影は「不倫(1965)」の高橋通夫。
1966年製作/83分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年1月15日
ストーリー
昭和三十八年秋、炭鉱の落盤事故で父を失った小牧竜一は父の遺志をついて医学の道を進むべく上京した。だが、上京の途次数人のやくざに囲まれ、学資の弔慰金八十万円を奪われた。失意の竜一は、通りがかった妙齢の女に助けられた挙句、五十万円という大金を与えられた。女の名は堀川小夜子。小夜子は土地の暴力売春のボス穴吹六太郎の情婦であったが、竜一が行方不明の弟とよく似ていることから、大金を与えたのだった。竜一は小夜子に恩を感じながら、城南大学医学部に合格しアルバイトに精を出した。やがて二年の歳月が流れた。小夜子は、新らしい生活に入った。そんなある日、竜一は隣のアパートに住む西川富造の一人息子シゲルが車にはねられ、交渉に立会うことになった。相手は暴力団青松会の会長小池松之助の息子であった。これが機縁となって、暴力団に誘いをかけられるようになった竜一が、下宿に近い大衆食堂で給仕をするあさ子と親しくなった頃、突然竜一に目をつけた天地会組員に襲われ、新聞だねとなり大学から退学処分を受けた。遂に小池会長の要請を受けて青松会に身を投じた竜一は、早くも幹部に治まったが、天地会は竜一をつけ狙った。ある日短刀で竜一に突きかかった天地会のチンピラ礼一が、小夜子の弟だと知った竜一の驚きは大きかった。今はいっぱしのやくざとなった竜一は、ある日子分とソープランドに行ったが、そこには天地会のチンピラに騙されたあさ子の変わり果てた姿があった。強引にあさ子をつれて帰った竜一を、小夜子が待っていた。今は運送屋に嫁ぎ地味な生活を送る小夜子は、竜一が真面目な学生であることを信じていた。その日の夕方、礼一があさ子を訪ねて来た。だが礼一は、竜一から姉の居所を聞き動揺した。一方穴吹は、小夜子が東京で世帯をもっていることに烈火のごとく怒り、殺し屋友影を使い小夜子の夫照井を痛めつけた。一方天地会でも、あさ子の身柄と一千万円を、竜一に要求した。小夜子と竜一は怒りのあまり、照井運送店に駆けつけた。天地会の幹部の居並ぶ中友影とさしで立ち向った竜一は、友影を射ち負かし、礼一を小夜子に会わせると、刑事に連れられ、去っていった。