無頼漢仁義

劇場公開日:

解説

「ダニ」の下飯坂菊馬と「日本侠客伝 関東篇」の野上龍雄が共同でシナリオを執筆、「暗黒街仁義」の渡辺祐介が監督したヤクザもの。撮影は、「昭和残侠伝」の星島一郎。

1965年製作/90分/日本
配給:東映
劇場公開日:1965年12月4日

ストーリー

ダムに通じる山道の拡張工事を請け負う陣内組は、親会社大和建設と取り交わした契約期間内に仕上げようと、現場主任稲村修を先頭に懸命の追いこみにかかっていた。ところが、陣内組とは商売仇の大鹿組と結託した石材商南波は、工事中の道にダンプカーを走らせて、工事を幾度となく妨害していた。そんな時、陣内源吉の息子壮一が、現場監督として大和建設から派遣されてきた。一方「身許が確かじゃねえ奴は雇わない」という稲村を強引におしきって陣内組の仲間入りをした一匹狼牧は、この大学出の理屈の多いインテリ青年壮一とことごとく対立した。そうしたある日「三百万円だせば、十日間はこの道を通らない」という南波からの申し入れがあった。工事の完成を急ぐあまり壮一は、稲村の反対を押し切ってこの話を承諾した。だが、壮一にそんな大金があろうはずがなかった。そんな時大鹿組の組長英太郎が壮一に三百万円の融資を申しでた。今は藁にもすがりたい思いの壮一は、腹黒い英太郎の謀略に気づかず英太郎がさしむけたバーのマダム徳子の色仕掛に酔いしれて、夢うつつのまま英太郎の差しだした念書に契約のサインをしてしまった。念書には「工事期間は七日間。出来ない場合には陣内組は解散」と記されてあったのだ。十日間でも難しい工事を七日間で……。さすがの壮一も自分の重大な過失にうろたえた。しかし稲村は、そんな壮一をかばい、なんとか工事を期日までに完成させようと、昼夜三交替の突貫工事を始めた。むろん稲村自身の休むひまはない。そんな稲村の姿を、稲村に思いをよせる工事現場の賄婦奈美は心配気に見守っていた。一方自責の念にかられた壮一は単身大鹿組に赴き、念書をとりもどし焼却したものの、大鹿組に捕ってしまった。これを知った稲村は、一人大鹿組になぐりこみ、壮一を救けだした。稲村を追ってかけつけた牧ら陣内組と大鹿組の間に激烈な乱闘が展開され、稲村は重傷を買いながらも大鹿を刺した。静寂を取り戻した工事現場の片隅で稲村の白い柩にとりすがって泣く奈美の姿が哀れであった。

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