青いくちづけ
劇場公開日:1965年7月3日
解説
石坂洋次郎の原作『くちづけ』を「続西の王将・東の大将」の池田一朗が脚色、「青い性(1964)」の井上芳夫が監督した青春もの。撮影は「乞食大将(1964)」の木浦義明。
1965年製作/88分/日本
配給:大映
劇場公開日:1965年7月3日
ストーリー
西京大学の入学試験に合格した夏目くみ子は、北陸から京都へ向う途中、試験の時隣り合わせた学生・村瀬健吾と再会した。そこで健吾は、くみ子の同級生で就職の決った山川敬太郎や、秋野君子を知った。やがてくみ子の大学生活が始り、健太郎とくみ子は急速に親しみをくわえていった。一方就職した君子は、北陸弁がいつまでもなおらない敬太郎に愛想をつかし、健吾にほのかな恋情を抱くようになっていった。面白くない敬太郎は、くみ子、君子たちが提案した、同級生三人の会に、健吾が加わることを拒んで、ますます君子の反感を買ってしまった。そうしたある日、くみ子は健吾と、以前くみ子の家の女中をしていた、お花の経営する温泉マークに入り、食事を共にした。が、これが曲解されて、大学の教授の耳に入り、二人は教授室に呼ばれた。しかし二人の弁解で、誤解はとけ、二人は解放された。この事件がかえってくみ子と健吾に親近感を与え、二人は帰途はじめての口づけをかわした。くみ子はこのことを君子にうちあけた。うちひしがれた君子は、その夜、はじめて飲んだ酒に酔って、君子の住むアパートの向いの部屋のとも子、邦夫母子に介抱され、そこで意外な事実を知った。とも子がくみ子の本当の母親だというのだ。くみ子はこれを確かめようと、健吾をともなって郷里に帰った。いいはばかるくみ子にかわって、健吾が父・信蔵から、くみ子が、もと芸者だったとも子に生ませた子だったことを確かめた。帰京したくみ子は、君子につれられてとも子に会った。そんなくみ子に異父弟・邦夫は激しく反撥し、母は自分の手で養ってやると、自らボクシングに命を賭けてリングにのぼった。最初の試合、夢中で応援するくみ子を知ってか知らずか邦夫は勝った。涙を流してよろこぶくみ子の唇に健吾の唇がそっと重なっていった。