江戸犯罪帳 黒い爪

劇場公開日:

解説

「紫右京之介 逆一文字斬り」の高田宏治と中島貞夫が共同でシナリオを執筆「関の弥太ッぺ(1963)」の山下耕作が監督した推理もの時代劇。撮影は「十三人の刺客」の鈴木重平。

1964年製作/94分/日本
配給:東映
劇場公開日:1964年4月18日

ストーリー

隅田川の上流に、三人姉妹の水死体があがった。本所相生町の小唄師匠すずと、妹よし、いとの三人だ。捜査に当った本所深川見廻り役人多々良、佐々木、谷口、長井、東野の六人は、凶器とみられる貞宗の持主、御家人くずれの勘太郎らを捕え拷問にかけた。だが拷問だけの捜査方法に疑をもった貢は、勘太郎が入質したという貞宗を捜すと、ある質店でそれをみつけ出した。犯行に使われた貞宗は偽物だったのだ。だが、事件の解決を急ぐ奉行所は、貢の努力に耳を貸そうとしなかった。特に出世頭の奉行所書役同心本多は上役与力との結婚をひかえて解決を急いでいた。だが、ついに貢の願いが入れられ再調査が始められた。勘太郎が事件当夜蛇十の賭場に居たという儀十が捕えられた。だが、蛇十の家のある霊岸島は、有名な無法地帯で捜査は難航した。そして肝腎の証人である儀十は背にヒ首を受け、殺害された。そして貢のよき協力者であった谷口も蛇十の家の近くで殺された。この一件以来捜査の鬼となった貢ら五人に、与力の村上、同心の本多らは、勘太郎が自白したことを告げた。捜査が打ち切られる前に、多々良らは霊岸島の手入れを願い出たが、本多は今夜、霊岸島の沖合で抜荷があるからそれを捜査するよう命じた。その頃貢は、被害者すずに思いを寄せていたという友吉の家で、二本の偽貞宗を手に入れた。その直後、貢は蛇十を叩ッ斬る本多の姿を目撃した。一方抜荷の現場で捕えた蛇十の子分達から友吉が谷口殺しの犯人であることを聞き出し、多々良らは友吉を拷問にかけ、谷口殺しと勘太郎のアリバイを成立させた。その頃、捜査線上には、上役同心の名が浮んでいた。本多が、すずの家にあったものと同じ守り袋を持っていたのだ。そして、偽貞宗も、友吉から一刀、すずに送られたものと判った。証拠品はないが、犯人はほぼ確実だ。細心の準備の後、本多をとらえた多々良貢の顔に苦汁がみえた。すずとの情慾の末、出世の為に刀にかけた本多の悲しい出世主義をいたむかのように……。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く