血と砂の決斗
劇場公開日:1963年12月1日
解説
「五人のあばれ者」の村松道平がオリジナル・シナリオを執筆、「新吾二十番勝負 完結篇」の松田定次が監督した時代劇撮影は「狐雁一刀流」の山岸長樹。
1963年製作/88分/日本
配給:東映
劇場公開日:1963年12月1日
ストーリー
一五八〇年、信長の制覇ならず、各地に群雄割拠していた頃のこと。武蔵国北条康政の部下稲葉弥十郎は、槍を使っては関東一と謳われる豪放な武将であった。闘志と自信に充ちた弥十郎は、大きな世界で存分に働くことを夢に、康政の元を去った。が、これを恥辱と受取った康政は、弥十郎の友市兵衛を含めた四人を追手に向けた。戦国の山野をさすらう弥十郎はある貧しい集落で、女に乱暴をしようとする野武士を斬ったが、何故かその弥十郎に村人は白い眼をむけた。弥十郎は売春婦奈々から集落のすべてが野武士におさえられ、野武士の仕返しを恐れて、弥十郎によそよそしいのだという。話を聞いた弥十郎は、「生きる力を教える」ためにもと、協力して野武士と戦うことにした。荒んだ奈々の心に弥十郎が大きな存在となったのもこんな時であった。一方追手となった市兵衛らはこの集落に入り、決闘しようとするが、野武士との戦いを前にした弥十郎は村人を前に苦悩した。一計を案じた弥十郎は、「四人の武士が味方するが、敵をあざむく為に、野武士に加わると見せかけて後から攻める」と話した。集落の利兵衛が内通者である事を利用したのだ。野武士との戦いが始まった。利兵衛から話を聞いた野武士は、追手の四人めがけて一斉に矢をひいた。途中、市兵衛は、自分が弥十郎に加担していることに気づいたが、もはやどうすることも出来なかった。戦いは村人の勝利に終った。村人の歓声を後に、市兵衛と対立する弥十郎。一瞬あやうい二人の間に、馬車をのり入れたのは奈々であった。一瞬市兵衛の矢はそれ、弥十郎の槍先は市兵衛の胸を刺していた。街道を、奈々を馬上にのせた弥十郎は、夢をもとめて旅立っていった。