林檎の花咲く町
劇場公開日:1963年8月25日
解説
家の光連載・辻美沙子の同名の原作を「夜霧のブルース」の国弘威雄が脚色、「六本木の夜 愛して愛して」の岩内克己が監督した青春ドラマ。撮影は「天国と地獄」の中井朝一。
1963年製作/89分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1963年8月25日
ストーリー
音楽大学を卒業した相馬桂子は、秋田の本家に子供がないため養女に行かなければならなかった。本家では高校の教師の職まで用意してあったが、桂子は何とか一年以内に送り返されるようにハメをはずそうと考えた。赴任第一日から、桂子はジャズを教え教員達の非難を浴びるが、数学教師の沢田は彼女を庇ってくれた。沢田に薦められて彼の三年E組のホームルームに顔を出すようになった。生徒会にもクラブ活動にも参加せず受験勉強をしている館岡、ラグビー部主将の西村は進学を諦めて家の林檎園を継ぐつもりでいる。バレー部主将の真由美は千恵と一緒に女子大を受けるつもりでいたが家庭の事情で就職組に転向した。農業講師兼ラグビー部のコーチをしている五代儀は桂子に好感を持っていると学校新聞に公表した。彼の図図しさには腹を立てたが、桂子は真由美たちのコーチを引き受け次第に彼らに融け込んでいった。秋の国体をめざして練習の最中、千恵がバレー部をやめると言い出した。一番の親友だった真由美が最近西村と仲が良いのが気にいらないのだ。国体にはラグビーは惜敗したが、バレーは見事優勝した。就職の決った真由美や西村、五代儀らと共に、受験のために上京する沢田、館岡、千恵達を見送る桂子には新しい希望が息づいていた。この林檎の花咲く田舎町にだって真剣に考えなくてはならない問題がいくらでもあると思うのだった。駅からの帰り道、五代儀は真剣な面持で桂子にプロポーズするのだった。