江戸忍法帖 七つの影
劇場公開日:1963年5月19日
解説
山田風太郎原作“江戸忍法帖”を「中仙道のつむじ風」の鈴木兵吾と「夜霧の上州路」の高田宏治が共同で脚色、「地獄の影法師」の倉田準二が監督した忍者もの。撮影はコンビの森常次。
1963年製作/85分/日本
配給:東映
劇場公開日:1963年5月19日
ストーリー
将軍綱吉治世の頃、柳沢出羽守吉保は、愛妾を将軍家に献上、これに子供が出来たのを機会に天下を取ろうとしていた。だがこれを砕こうとするのが狼人足柄悠太郎、前将軍家綱の御落胤。権力争いにまき込まれるのを心配した母の配慮で、ひそかに織部玄左衛門父子の手で育てられていた。織部達は、吉保の動きを知り、悠太郎を綱吉に対面させ、いち早く後継者にしようと計った。これを知った吉保は服部玄斎を首領とする甲賀七人衆に悠太郎の暗殺を命じた。玄斎は立派な忍者だが病床にあり、その上、息子小源太は術が未熟だった。高弟刑部達は玄斎の制止を無視し、徳川の血筋を守るためと、悠太郎の身辺に迫った。玄左衛門父子と、悠太郎を慕う少年丹吉が次々と殺された。家来達を殺され激怒した悠太郎は、吉保の邸に乗り込んだが、待ち構えた忍者達に窮地に追いつめられた。が、吉保の娘鮎姫に助けられ無事たちかえることが出来た。鮎姫は悠太郎を慕って彼のあとを追ってきたのだ。その後、甲賀屋敷に忍び込んだ悠太郎は、玄斎の死と新首領小源太の誕生を知ったが発見され、小源太の助けで悠太郎は逃走出来た。このために小源太は刑部達の手で幽閉された。縫は弟丹吉の仇を討とうと甲賀屋敷に入り込んだが失敗し捕えられた。縫と鮎姫の交換を刑部から迫られた悠太郎は指定の場所へと赴き、彼等忍者達と対決、これを倒していった。悠太郎の闘っている間、幽閉の身から自由となった小源太は、刑部達の手に落ちていた縫の救出に成功した。残る敵は刑部一人、しかしながら、次第に悠太郎は刑部の術に追いつめられた。が、彼を慕う鮎姫の必死に悠太郎を救おうとする尊い犠牲によって、ようやく刑部をうちとることに成功した。かけつけた吉保は、息絶えた愛娘鮎姫を抱き上げて立ち去った。それから数日、今は野にあって徳川家を守ろうと決意した悠太郎の姿があった。