海女の怪真珠
劇場公開日:1963年1月1日
解説
「暴力五人娘」の岡戸利秋と「反逆児(1961)」の金田光夫が共同で脚本を執筆、「続性と人間」の小林悟が監督した活劇。撮影は「北上川悲歌」の岩橋秀光。
1963年製作/88分/日本
劇場公開日:1963年1月1日
ストーリー
暗夜の台湾近海で中国巡視艇に追撃された怪船は日本領海に逃げ込んだが、乗組員は宝石を詰めたトランクを海中に沈めて命からがら陸へ這い上った。数日後、中国国際警察の宋と婦人部員王令芳が密輸ルートの情報交換のため来日した。最近国際諜報機関の暗躍が活発で、政治工作資金として多数の宝石が密輸されているためであった。自称ボクサーくずれの健二はキャバレーのマダムはるみと知り合い、彼女の紹介でボス梶原の部下になった。国際諜報機関の要員として暗躍する梶原は、部下達が海中に投下した宝石の引揚げを中国側の張代表に迫られていた。梶原は部下の竜造の妹トミら十五人の海女を集めてトランクを投下した東竜島附近を探らせることにした。海女達の作業は必死に続けられたが、トランクはなかなか発見されなかった。若い海女たちの間では男らしい健二が話のタネ、中でもトミは強く魅かれていた。ある夜、ふとしたことから一味の話を盗み聞きした竜造と海女の洋子は追われて遂に殺されてしまった。その後、一味の秘密を知った海女が一人、二人と消されていった。トミは兄の行方を聞き出そうとして捕えられ渦潮の中へ投げこまれた。岩礁に這い上がったまま倒れているトミを救ったのは健二、トミの手には怪真珠が握られていた。一方、捜査に必死の宋と令芳は一味に感づかれて捕えられ、二人の監視に当っていた健二も身分がばれて捕えられた。彼は実は警視庁国際係の一員だったのである。三人は一味の眼をかすめて脱出に成功した。一味はトランクの引揚げに躍起となるが発見されず、遂に仲間割れをおこして張は梶原の銃に倒れた。その時健二、宋他の国際警察隊が殺到し、一味は根こそぎ逮捕されたのだった。翌日、健二やトミの見送りをうけて令芳と宋は本国へ帰って行った。