咲子さんちょっと
劇場公開日:1963年1月13日
解説
同名のテレビドラマ・中島さと子原作を「海猫が飛んで」の富田義朗が脚色、「あいつばかりが何故もてる」の酒井欣也が監督したホーム・コメディ。撮影は「秋刀魚の味」の厚田雄春。
1963年製作/93分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1963年1月13日
ストーリー
朗かな性格で誰からも愛されている中川咲子に、ある日縁談がもちこまれた。相手は有名な漫画家南条高太郎の一人息子で、新進作曲家の京太郎である。ホテルのロビイで行なわれた見合いは、京太郎のピアノで咲子が唄いだしすっかり甘いムードにひたるのだった。間もなく咲子は出版社をやめて花嫁修業にはいった。南条家では、高太郎が「ルーズで朝寝坊で掃除はいい加減にするのがうちの家風だ」と咲子に教え、妻の規子には「あんまり家の中をキレイにしすぎては嫁が気を使うよ」と大いに気をつかうのだった。この老夫婦は仲が良いくせに、絶えず愉快な口げんかをしていた。数日後、南条家の人となった咲子は、初々しい新妻ぶりを見せるのだった。時にベソをかくことがあっても、別棟に住む高太郎が漫画の手紙を書いて励ましてくれた。ある時咲子は、ペテン師の口車に乗せられて高太郎の秘蔵本を奪られてしまうが、高太郎は「たまには詐欺にあうのが家風みたいなものだ」と慰めるのだった。その咲子も、隣のお姑さんとお嫁さんの仲を円満におさめたり、御用聞きの常吉と女店員のきみ子との恋をとりもって感謝されるなど奥様ぶりが板についてきた。父の誕生祝いに、咲子は初めて里帰りをした。仕事も手につかない京太郎は、今まで以上に咲子の有難さが身に泌みるのだった。年の暮、大阪に出張して放送局にカンヅメになっていた京太郎は、除夜の鐘のなかを帰って来て、新年祝いのプレゼントとして指輪を贈った。そんな二人の仲睦じい姿を見て、初参りから帰って来た高太郎と規子は、咲子も本当に南条家にとけこんできたと喜ぶのだった。