歌う明星 青春がいっぱい
劇場公開日:1962年7月8日
解説
「最初が肝心」の若井基成のオリジナル・シナリオを「黄門社長漫遊記」の小石栄一が監督したミュージカル喜劇。撮影は「銀座の旅笠」の福島宏。
1962年製作/67分/日本
配給:東映
劇場公開日:1962年7月8日
ストーリー
蜂の巣文太は、一流雑誌「明星」の事務手伝員だ。しがない雑役夫の彼にも夢はある。それは一日も早く、荒木記者や三島カメラマンのようなベテランになることだ。ある日、美人姉妹の理髪店「ツイスト」へ散髪に行くと、妹娘の千代子は胸バッジから、文太を「明星」の記者と思い込んだ。文太はかねて姉娘早苗に想いをよせていたので、ベテラン記者だと嘘をついた。数日後、姉妹が会社へ訪ねてきたので、雑役夫姿の文太は色を失ったが、荒木記者の気転でボロを出さずに済んだ。しかし、早苗に身分を打ち明けるキッカケを失った文太は、憂欝でならない。そんな文太に同情したのは隣室に住む女占師の川田節子である。「明星」の大沢編集長が取材ぎらいの人気歌手松島アキラの訪問記事がとれず困っているので、犬年生れの文太を差し向ければ成功うたがいなし--という卦が出たと、編集長を説き伏せた。颯爽と出かけた彼が持ち帰った録音テープは、なんとスピッツの啼き声ばかりではないか。アキラの愛称スピッツを、迂闊にも犬のスピッツと早合点したのだ。そのうえ、義宮妃候補者の特ダネの原稿紛失という失策が重なって、文太はすっかり意気消沈。北海道の牧場へ帰ろうと決心したが、列車内で見知らぬ老婆から「職業に貴賎はない」と激励されて、東京へ引き返した。折も折、森山加代子、松島アキラ、スリー・ファンキーズという豪華メンバーを揃えた、「明星スター劇場」の当日、突然キラたちの行方不明で楽屋は大あわて。しかし、文太の大活躍で開演寸前にアキラをつれてくることができた。大沢編集長は文太の手を握って喜んだ。かくて文太はめでたく記者に昇格した。早苗が花嫁になるのも、遠いことではあるまい。