事件記者 影なき侵入者
劇場公開日:1962年4月2日
解説
前作「事件記者 拳銃貸します」とスタッフは同じ、事件記者シリーズの一篇。
1962年製作/62分/日本
配給:日活
劇場公開日:1962年4月2日
ストーリー
久しぶりの休日で、東京日日の記者岩見と中央タイムスの竹本は、明け方の東京湾に鴨猟の舟を浮かべていた。ところが、射ち落した鴨を拾おうとした二人は水死体を発見した。死体の顔はめちゃめちゃにつぶされ、両手は手首から切り落されていた。記者クラブは俄然色めきたった。捜査一課では、他殺か自殺かを発表しなかった。その日の夕刊には、各社ともそろって“身許不明の水死体”の見出しが出た。クラブでは身許洗い合戦が火花を散らしている頃、粗末な建物の大福金融出張所へ三通の封書が舞い込んだ。所長の大沢、事務員の加納、洋子にそれぞれあてたものだが、文面は同じものだった。一年前、三人が協力してつかまえたスリの新吉が、お礼参りにくるというのだ。水死体の身許を追って一日中走りまわった記者達が身体を投げ出しているクラブへ、泥酔した加納がわめきながら入って来た。彼はスリに脅かされたことを話し、新聞を無責任だとなじって帰った。捜査陣は、三人を保護したうえ一週間前仙台の刑務所を出た新吉を追うことになった。取材陣も新吉の足どりを掴もうと各社とも必死だった。一向に足どりがつかめずぐったりしている各社のキャップに大福金融へ出向いた記者から、大沢が殺られたという情報が入った。そんな時、二度目の脅迫状が洋子と加納のところへ届けられた。その手紙に指紋がないことを不審に思った日報の相沢キャップは、仙台支局へ信吉の筆跡を電送するよう依頼した。思った通り脅迫状は信吉の筆跡ではなかった。意外なところで事件は水死体と結びついた。水死体は新吉だったのだ。競馬で会社の金を買い込んだ加納の仕組んだ芝居だった。その頃、加納の魔手は洋子にものび、川舟の中で洋子は加納に首を締められようとしていた。駆けつけた日報の菅に救い出された洋子。同僚に手柄を冷かされる菅は、後味の悪い気持で、連行される加納を見送るのだった。