大平原の男

劇場公開日:

解説

山野良夫の原案を柳瀬観が脚色。「俺は地獄へ行く」の野口博志が監督したアクションもの、撮影もコンビの永塚一栄。

1961年製作/81分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年12月6日

ストーリー

ローカル線の終着駅白坂で降りた錠次は西ッ原に行く予定だったが、土砂崩れのため馬をかりた。東京から彼を尾行してきたのは五分刈りのヤクザ信二。父を殺された恨みからだ。夕ぐれの森で、鉄道工事監督官矢島が、西ッ原のボス坂口一家の木津に殺された。銃声を聞いて駆けつけた錠次は、矢島の死体を西ッ原の警部補派出所に運んだ。その夜、七年ぶりで錠次は恩人岸本に会った。岸本は岸本土木の組長として鉄道工事に一役かっていたが、坂口の卑劣な妨害に腹を立てていた。岸本のおかげで堅気になれた錠次は、三日後にブラジル移民として渡航する身である。翌日、錠次は岸本組の働くトンネル工事現場を見学したが、工夫たちにまじって紀子という娘がツルハシを握っていた。喫茶店を経営しながら、事故で亡くなった父親の代りに無報酬でときどき手伝いにくるのであった。帰途、錠次は拳銃を手にしていた頃の親友二郎に会った。二郎は紀子の喫茶店に錠次を案内した。紀子は二郎の恋人である。つぎの日、岸本と別れて町を離れた錠次は、馬で追いついた紀子の言葉に愕然とした。岸本が工事場で事故死したというのだ。坂口の仕業にちがいない。工事場では憤激した岸本組の工夫たちが坂口組の事務所に押しかけ、あわやという時、錠次が駆けこんで岸本の遺児良男とその場をおさめた。一方、数々の妨害行為をしてきた坂口は最後の手段として市から送ってくる工夫たちの給料強奪を二郎に命じた。彼は鉄道と鉱山利権の独占をたくらんでいるのだ。木津は錠次を狙う信二を抱き込んで拳銃の必殺射ちを朝から晩まで教えていた。その夜、二郎の現金強奪事件を知った錠次は、二郎を責め、紀子も自首を勧めた。ところで、坂口は警察が動き出したと知ると、強奪した現金をもって逃亡を図ったが、改心した二郎の妨害で失敗した。その二郎は木津に包囲され、錠次も同じ廃坑で窮地に陥った。二郎は射たれながら、錠次に拳銃を渡した。目にもとまらぬ早業で錠次は木津を斃した。数日後、錠次は大平原を馬で突走っていた。

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