ママ恋人がほしいの

劇場公開日:

解説

婦人生活懸賞当選第一席、西川澄子の『私』を原作に「女家族」の岡田達門が脚本を書き「ヨットとお転婆野郎」の堀池清が監督した女子高校生もの。撮影も「ヨットとお転婆野郎」の藤岡粂信。

1961年製作/73分/日本
配給:日活
劇場公開日:1961年11月1日

ストーリー

馬淵スミ子は末ッ子で高校生。“息子”を略した“ムコ”がニックネームで、誰も本名を呼んでくれない。大学生の兄伸夫の学友古木も彼女にはタジタジである。ある日、公園で姉の直子のラブシーンを目撃したスミ子は“不潔だわ”とばかり大憤慨だが、そんなスミ子を姉も兄も子供扱いするので、ムコはフトンをかぶって泣いてしまう。翌朝、登校した彼女を待っていたのは、皆のあこがれの的、音楽の香月先生が恋愛結婚をするという話。「恋愛なんてフケツ!」という彼女も「正しい恋愛はお互を高めていくものじゃないかしら」という先生の言葉に考え込んだ。そんなとき、兄伸夫の恋人が胸の病を苦にして自殺し、それを悲しむ兄をみて、ムコはますます“恋”というものを考えるようになった。一方、伸夫を心配した友達の発案でキャンプをすることになり、古木やムコもメンバーに加わったが、ムコは湖畔で古木から「君が好きだ」とささやかれてビックリするが、それはちっともフケツではなかった。キャンプから帰って、ムコは変った。父母に結婚を反対されている姉を励まして、相手の青年のもとに走らせたのもムコだ。古木の父が亡くなり、彼は学校をやめて故郷へ帰ることになった。駅頭には伸夫たち友人が多勢送りにきた。汽車が動き出したとき、古木は突然、カン高い声を聞いた。「古木の兄ィガンバレ!」とムコがホームを走りながら手を力いっぱい振っていた。彼女の眼は涙で濡れていた。

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