背広姿の渡り鳥
劇場公開日:1961年6月7日
解説
田坂啓・桜井康裕の脚本を昇進第一回の砂見国博が監督したアクション・ドラマ。撮影は「悲しき60才」の渡辺徹。
1961年製作/68分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年6月7日
ストーリー
佐山道夫は久方ぶりに故郷へ舞いもどってきた。母のきく、姉の理恵子は、新興やくざの海堂重策一味に痛めつけられていた。かつてはれっきとした佐山組の親分であった父が死んで以来、多勢いた子分たちもすべて海堂組へ移ってしまい、今残っているのは一味に足をやられて不自由になった清治だけだった。細々とビリヤードを経営する変りはてた家族の姿に、道夫は切歯扼腕した。キャバレー「ギンガム」に本拠をおく海堂らの当面の目的は、町に一大歓楽センターを建設すること、それにはビリヤードのある土地が邪魔で、彼らはことごとに店を売れと無理難題のいやがらせをするのだ。「ギンガム」にピアノ弾きの新顔が加わった。道夫が故郷への道すがら、ヒッチハイクに拾ってもらった白井五郎と名のる風来坊だ。「ギンガム」に挨拶代りにのりこんだ道夫を、あわやというところで五郎が救った。こうして二人のあいだに友情が生れた。五郎は清治のアパートに同居することになった。毎日のように店に来ては乱暴を働く海堂の子分たちのふるまいに、道夫の怒りは爆発した。しかし、単身なぐりこみをかけた道夫は、さんざんうちのめされ、半殺しにされてしまった。佐山一家にとって、今は五郎一人が頼りだ。海堂組の資金源となっている東京の極東観光の専務を迎えて、彼らの暴力沙汰は目にあまるものとなった。このままでは町は無法地帯になってしまう。遂に五郎は敢然と起ち上った。